「知らなかった企業」に入る学生、7月以降に半数確定
ところで、就職みらい研究所では興味深い調査を「参考データ」として提示している。それは、2022年卒の大学生が今年3月の卒業時点で、確定している就職先が「就職活動以前から知っている企業だったかどうか」を聞いた調査だ。
すると、なんと「知っていた企業だった」と答えた人は36.9%しかおらず、「知らない企業だった」と答えた人が63.1%もいたのだ=図表4参照。
また、就職確定先企業を就活開始前に知っていたかどうかの認知別に、どの時点でその企業に就職することを決めたかも聞いた。すると、知らなかった企業に行くことを決めた時期は、第1のピークが6月(2021年)、そして第2のピークが10月以降(2021年)となった=図表5参照。たとえ事前に知らなかった企業でも、その会社のよさに触れて納得して就職するかどうかは、今後の就職活動にかかっているわけだ。
だから、就職みらい研究所の栗田貴祥所長はこうコメントしている。
「周囲で就職活動を続ける人が減り、書類提出や面接を進める中で、納得できる就職先を決められるのか焦りや不安を抱いている方もいらっしゃると思います。2022年卒の学生では、約6割の方が『就職活動開始前には知らなかった企業』に入社予定で、そのうち約半数が7月以降に就職先を確定していました。就職志望の学生全体で見ても、4割超の学生が7月以降に就職先を確定しています。引き続き採用活動を実施する企業も多く存在します。厳しい暑さが続きますが、納得できる一社に出会えるよう、前向きに就職活動を進めていただきたいと思います」
こうエールを送っている。
調査は、2022年7月1日~4日、2023年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生7632人(大学生6258人・大学院生1374人)にアンケートした。
(福田和郎)