きょうは50代のRさんがいらっしゃっています。
「新卒から同じ会社で働き続けています。いわゆる出世街道から外れているので、万年係長といったところでしょうか。どんどん優秀な社員に追い越されていますが、これから別の会社に転職する気もありません。特別なキャリアやスキルはないけれど、仕事を含めたこれからの人生を楽しみたいなと思っています」
同じ環境に長期間いると停滞感を感じるもの
Rさんの先輩たちが定年を迎えていき、社内ではだんだんと年長者へ近づいてきていますよね。20、30代の若い社員達はITスキルも高く、今流行りのIT化やらDX化など率先して、プロジェクトを進めているのではないでしょうか。
このような活躍を目の前にすると、Rさんも「このままじゃ、会社のお荷物になってしまうんじゃないか」「雇用延長したら肩身が狭いかも」なんて不安も出てきますよね。
Rさんのように同じ会社、同じ仕事をしていれば、停滞感を感じるのは仕方のないことです。飽きも出てきますよね。とは言っても、仕事を含めた残りの人生を楽しむためには、充実感が必要だと思います。
「自分の役割」を見つけることが充実感につながる
Rさんのように同じ環境に長くいると、Rさん個人というよりも、「○○会社のRさん」という存在の方が大きくなっているでしょう。会社内でやりたいことを見つけて、その仕事を任せてもらえるならば、充実感を得られると思いますが、残念ながらうまくいかないことも多いでしょう。
そこで、雇用延長を利用して長く働きたいと思うならば、ある程度の割り切りも必要です。「自分の役割」を社内ではなく、社外で見つけることを考えてみましょう。
具体的には「やりたいこと」を実際に試せる場を見つけることです。教える仕事がしたいけど、今から学校の先生になるのは難しいならば、子ども食堂などでボランティアとして勉強を教えたり、コミュニティのスタッフを引き受けてみたりと、「自分の役割」を探してみましょう。
新しいことへの挑戦を...最初の一歩を踏み出して
人生を楽しんでいる人は、目の前のことや新しいことに対して楽しさを感じています。そして、自分の役割を見つけるためには、「新しいことに挑戦」する動きが必要です。しかしながら、仕事ではなくボランティアであったとしても、新しい動きをするには、今までと違う最初の一歩を踏み出さなくてはいけません。
自分の役割を見つけられた人は、この最初の一歩を踏み出しています。実際には、ここで動けなくなってしまう人もいると思います。動けない原因の一つが、「自分には特別なスキルやキャリアがないから」という理由です。
自分には立派なキャリアやスキルがない......そこに必要なのが「気力」と「体力」です。新しいことに挑戦するのは「やってみたい、試してみたい、挑戦したい」と強い気持ちがないと動けません。さらに、シニア層に必要なのがある程度の「体力」です。小さな挑戦だとしても、新しい動きは、誰だって疲れます。気力を支えるための体力も必要なのです。
Rさん、人生が楽しくなるかは結局Rさん次第だと思います。定年までまだ時間があるので、社内外に目を向けて挑戦したいことを見つけてみましょう。
(ひろ子ママ)