経済安全保障は重要だが、企業活動が制約されると...
また、政府に同法が規制強化につながらないよう要望するなど、注文も相次いだ。
「経済における安全保障上の信頼性が向上することは好ましいが、それにともなう企業活動への制約や規制強化に繋がらない努力をしてほしい」(フェルト・不織布製造、東京都)
「メーカーや卸売業は立場が弱く、取引の継続有無を盾に不利な状況となることが多いので、大手企業を中心に是正してほしい」(清涼飲料卸売、徳島)
「経済安全保障を理由として自社の情報システムが監視され、情報が盗み取られることがないように、法整備を期待する」(特許事務所、東京)
帝国データバンクでは、こうコメントしている。
「経済安全保障法の企業活動への関係性について、業種によって関心のある項目に差異がみられた。なかでも、新型コロナやロシア・ウクライナ情勢によって仕入数量の確保や仕入価格の高騰に直面している企業ほど、サプライチェーンを強化することへの関心がより高い。(中略)特に、基幹インフラの安全性や信頼性に関して、その傾向が顕著に表れていた。経済安全保障法について政府が具体化するにあたっては、産業や企業規模による注目点を踏まえた、きめ細かい経済安保体制を整備していくことが非常に重要となろう」
調査は2022年5月18日~5月31日、全国2万5141社を対象にインターネットを通じて行い、1万1605社(大企業1865社、中小企業9740社)から回答を得た。
(福田和郎)