安倍元首相銃撃で株価動揺、円安「時代の変化についていけない日本」(7月11日~15日)【株と為替 今週のねらい目】

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   2022年7月8日、安倍晋三元首相が奈良市での演説中に銃で撃たれ、死去した。昼、銃撃が報じられると、東京株式市場の日経平均株価は一時大きく値を下げるなど動揺が走った。

   2012年以降の第2次安倍政権はデフレにあえぐ日本経済の立て直しを掲げ、「アベノミクス」を推進。日本銀行の黒田東彦総裁とともに進めた異次元の金融緩和はその一つで、過度な円高の是正と株価の上昇を実現した。

   現在は、その異次元の金融緩和による円安ドル高が日米の金利格差を生みだし、日本経済を苦しめ始めている。ウクライナ危機をはじめ、社会や経済情勢が大きく変わるなか、それに追いついていけない日本の姿があるようだ。

   今週は米国で多くの経済指標の発表がある。その結果次第が米ドルのゆくえを左右するとみられる。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 安倍晋三元首相の銃撃事件で株価も一時下落した(写真は、2020年8月撮影)
    安倍晋三元首相の銃撃事件で株価も一時下落した(写真は、2020年8月撮影)
  • 安倍晋三元首相の銃撃事件で株価も一時下落した(写真は、2020年8月撮影)

東京株式市場 参院選は大きな材料にならず?

日経平均株価予想レンジ:2万6400円~2万7000円

2022年7月8日(金) 終値 2万6517円19銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、レンジ内の動きか。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、反発した。米国の経済指標が市場予想を上回ったことで、景気後退懸念が薄れたことが影響した。また前週に3日続落し、2万6000円を割り込んだこともあり、自律反発した側面もあった。8日昼に安倍晋三元首相が銃撃されるという事態が発生し、日経平均株価は大きく値を下げる局面もあったが、小幅続伸で取引を終えた。

   今週の日経平均株価は、レンジ内の動きとなりそうだ。最大の注目は13日に発表される米国の6月の消費者物価指数。結果が市場予想を上回り、インフレ懸念が高まれば、米国の利上げ観測が強まり、米国株が下落する可能性がある。このほかにも、米国の経済指標の発表が相次ぐため、注意が必要だ。

   基本的には日経平均株価はレンジ内の動きを予想するが、米国の経済指標の結果次第では、相場が乱高下する可能性がある。参議院選挙は大きな材料にはならないものの、選挙を終えたことで、岸田政権への政策期待が高まり、材料視される可能性もあるため、注目したい。

東京外国為替市場 米国の6月の消費者物価指数に注目

ドル・円予想レンジ:1ドル=134円50銭~137円50銭

2022年7月8日(金)終値 136円08銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い動きか。

   前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の景気後退を懸念し、一時1ドル=134円台後半までドルが売られる局面もあったが、米国の利上げ政策の継続と日米の金利差拡大観測を背景に、ドルは1ドル=135円半ばまで上昇した。

   今週のドル円相場は、ドルが底堅い動きになりそうだ。日米の金利差拡大という構図に変化はなく、ドル買い需要は引き続き強い。

   ただ、今週は米国で多くの経済指標の発表があり、その結果次第では相場が乱高下する可能性があるため、注意が必要だ。特に、13日の米国の6月の消費者物価指数が市場予想を上回ると、一段の利上げ観測が強まり、ドル買い材料となるのか、それとも米国景気の悪化懸念が強まり、ドル売り材料となるのかに注目したい。

   経済指標は、国内では11日に5月の機械受注、6月の工作機械受注、12日に6月の企業物価指数などの発表が予定されている。

   海外では、13日に中国の6月の貿易収支、米国の6月の消費者物価指数と米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、14日に米国の6月の卸売物価指数、15日には中国の4~6月期GDP(国内総生産)と、6月の鉱工業生産と小売売上高、固定資産投資、米国の6月の小売売上高と鉱工業生産、G20財務相・中央銀行総裁会議(16日まで)などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)

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