フリーランスが抱えがちな「3つのトラブルとリスク」
フリーランスが抱えがちな「3つのトラブルとリスク」について、フリーランス協会の平田麻莉さんが話している。「仕事上のトラブル」としては、報酬の未払いや減額、支払い遅延、ハラスメントなどがる。「仕事上のリスク」としては、低い報酬で働くことを余儀なくされたり、長時間労働に陥ったりすること。「生活健康のリスク」として、出産・育児・介護などの際のセーフティーネットが十分ではない現状があるという。
平田さんは、それらのトラブルやリスクを一人ですべて背負う必要はない、として小規模企業共済制度、国民年金基金、公的窓口の「フリーランス・トラブル110番」などフリーランスを支える制度の活用を呼び掛けている。
また、フリーランス協会がフリーランス向けに保険や福利厚生などを含めた「ベネフィットプラン」を提供していることを紹介している。
2023年10月1日から「インボイス制度」が導入されると、免税事業者である多くのフリーランスは免税事業者でいられなくなる可能性があり、「フリーランスいじめ」ではないかと危惧されているそうだ。しかし、平田さんは、今まで消費税を払わない「益税」がないと食べていけないというのであれば、「そもそも報酬の金額が間違っている」と問題提起している。
フリーランスも税金を正しく請求して納めるからこそ、社会保障などセーフティーネットの整備につながる、と考えている。
2025年には定年を延長できなかった人たちの多くがフリーランスになる可能性があるという。「高齢者のフリーランス」が今後どんどん増えていくので、行政や企業はフリーランスの受け皿を整える方向に向かう、と見ている。
一方で、フリーランスは若い世代のものと思っていたが、これからは年代に関係なくフリーランスが増えていきそうだ。
アメリカでは全労働人口の35%がフリーランスという調査もある。IT化の進展によって独立・開業・副業のハードルが大幅に下がり、スマホ1台あれば仕事ができるようになったことなどが背景にあり、フリーランスが増えていくのは世界的な流れのようだ。