みずほ銀行はなぜ、何度もシステム障害を起こしたのか?

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ワントップ・ワンバンク体制になったが...

   みずほのシステム運営部門は発足直後の02年の大規模障害によって、主導権が旧第一勧銀から旧富士勢へと移っていたが、「口座の受入件数の上限」があることは引き継ぎされていなかった。旧富士勢を中核とするシステム運営部門は詳細を認識していなかったのだ。

「旧3行の対立はシステム障害でさらに深まり、組織としてはもはや成り立たないほど脆弱になっていた」

   少数の改革派と金融庁の高官は、「持ち株会社と2銀行という3つの組織を、旧3行の出身者がそれぞれトップを務めるみずほの統治体制は、旧3行の縄張り意識を強めるだけの結果しかもたらさなかった」という認識に至った。

   そして、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行が合併し、持ち株会社社長には旧興銀出身の佐藤康博氏が就任する、ワントップ・ワンバンク体制が2013年にスタートする。

   冒頭、佐藤康博氏と後任の坂井辰史氏が登場した理由がここで飲み込めた。

   新体制のもと、基幹システムを抜本刷新して4500億円を投じ、「MINORI」を2019年に本格稼働させたが、システム運営の中核部隊である「みずほリサーチ&テクノロジー」は、担当人員を18年時点の1051人から21年2月には345人まで急激に減らしていた。

   背後には、坂井体制で推し進めたコスト圧縮路線があった。みずほFGの経費率は坂井氏が社長になり、79%から60%まで下がり、業績はアップした。

   だが、2021年の度重なるシステム障害は経営そのものの問題として、金融庁は経営陣の刷新を求め、異例の業務改善命令を発出した。11月、トップが総退陣し、みずほFGは平成入行組の木原正裕氏を新CEOに選んだ。

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