産休明けに「仕事の負荷を下げてほしい」と相談してきた女性部下...どうしたらいい?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 7】(前川孝雄)

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すぐに申し出を認め、できるだけ仕事の負荷を下げる?

   部下思いの上司としては、次のように対処するかもしれません。

   「Aさんの申し出はもっともだ。特に女性のライフステージ上では、仕事より育児や家庭が優先の時だろう」と考え、「よし、分かった! Aさんの希望どおりに人事と調整し、短時間勤務と在宅勤務の手続きを進めよう。また、仕事も無理なリーダー役から負荷の少ない仕事に改めよう!」と快く応じる。

   ものわかりのよい上司であれば、当然の対応のように思えます。しかし、この判断は本当に部下のためになるのでしょうか。

   40代後半~50代の男性管理職で仕事一筋に働いてきた既婚上司の場合、自分が一家の大黒柱で、妻は専業主婦かパート職などの場合も少なくありません。育児や家事を担った経験は少ないでしょう。

   そのため、内心では「社員として給料を得ている以上、家庭の事情はあれども仕事の責任を果たして当然」と考え、Aさんのような状況や訴えを、申し出のままに受け止めてしまう場合もあるのではないでしょうか。

   そして、「結局、女性は仕事より育児や家庭が優先」と決めつけてしまいがちです。その結果、女性部下を中核人材として育成することを諦め、できるだけ育児に専念してもらおうとするのです。

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