こんにちは。北海道大学金融研究会チームFiNaancierのあきぞーんこーのーと中島脩です。今回は、ここ最近の株価の変動を見て、株価が下げ止まりし、また上昇すると思われる銘柄を選ぶことにしました。
そこで、僕たちが選んだ会社はキッコーマン(2801)です。まずは中島から、企業概要と事業分析を説明します。
しょうゆ、北米シェアで2分の1以上
企業概要をみると、キッコーマンは醤油やみりん、めんつゆ、豆乳などを中心とした調味料、食品の加工、販売を行っている企業です。戦後より北米をはじめとした海外市場への進出も積極的に行っており、近年はアジア地域にも幅を広げています。
国内ではしょうゆの3分の1、北米市場では2分の1以上のシェアを誇っています。
次に事業分析に移りたいと思います。2021年度決算の全体の売上高の割合を見ると、売上収益5160億円に対して国内事業が約3割の1500億円、海外事業が残りの7割の約3600億円となっています。ここからも、キッコーマンの海外市場への積極的な姿勢をうかがうことができます。
現在、国内部門は収益にあまり変動が見られないものの、北米をはじめとした海外部門では、売り上げが徐々に伸びていっていることが読み取れます。海外でもコロナ禍による業務用の調味料などの需要が低下したものの、家庭用商品の売り上げが根強く、特に中国やタイなどのアジア部門での売り上げの伸びが大きく影響したとみられます。
また海外の食品卸売事業も、コロナ禍での規制緩和が影響して徐々に外食の需要が高まったことで、北米をはじめ欧州、オセアニア、アジアなどで東洋の食品関連の売り上げが伸びています。
さて、あきぞーんこーのーです。
まず僕らがキッコーマンを選んだ理由について、説明したいと思います。僕は企業分析バトルで世界にライバルがいない日本の企業と共に戦いたいと考えていました。簡単に例を挙げると、自転車部品と釣具製造のシマノや食品製造の味の素などの世界シェアのほとんどを握っている企業を選びたいと思っていました。
前回、シマノを購入しようと思っていたのですが、お金が足りなかったために泣く泣く断念したところ1か月後の今、7%ほど上昇していたため、今回こそは自分が本当に買いたい株を購入したいと思って、我らが日本の味醤油においてアメリカで6割のシェアを持っており、世界100か国以上で販売されているキッコーマンに白羽の矢を立てました。
自己資本比率は70%超えの安定感
通期の株価指標を見てみると、3年前から株価は約4600円から6600円、8130円と順当な右肩上がりを見せており、時価総額も88万円 127万円、156万円とこちらも止まる勢いを見せません。
次に、企業分析の立場からこの企業を分析したいと思います。
企業の健全さを示す指標となる自己資本比率とPER(price-earning rate 株価収益率=株価と収益の関係)を見てみます。
自己資本比率は、総資本(負債及び純資産の合計)に占める純資産の割合です。これは会社の安全性を評価するうえで最も基本になる指標であり、高ければ高いほどに財務的に安定しているということができます。一般に50%以上あれば良好な状況にあるということができるため、自己資本比率が71.1%もあるキッコーマンは非常に安定性のある企業であるということができます。
PERは株価と一株あたりの純利益との商の値であり、「一株あたりに純利益の何倍の値段がつけられているか」と翻訳されます。つまり、企業がどれだけ期待されているかを読み取ることができます。旧東証一部食料品部門におけるPERは約27倍に対してキッコーマンは約36倍と市場から大きな期待が寄せられていることがわかります。
以上の分析からキッコーマンが安定した企業であることがわかり、また食料品産業は景気の動向にあまり左右されないため、キッコーマンに投資したいと考えます。
キッコーマン(2801)
年初来最高値(2021年12月27日) 1万140円
年初来最安値(2021年4月1日) 4320円
購入時の株価(2022年7月1日) 7250円
取得株数 200株
もともと大学生で起業をしようと志していたものの、企業や経済を理解していなければそもそも起業どころではないと気付き、金融研究会に入会。株式投資は未経験。これを機に触れてみたいと思っています。趣味はデパ地下めぐり、西洋芸術鑑賞。好きなものは肉。まだ初心者ですが、精一杯頑張ります!
株式投資をするためには自分が投資する企業を知る必要があるが、機会がなければ分析方法を勉強することはなく......。そんな時に、このような機会に出会えていただき、諸手を挙げて賛歌/参加させていただきました。出場するからには、全力で頑張りたいと思います。
企業分析バトル(株式投資)大学対抗戦 競技ルール
・月200万円の投資金額を上限に、銘柄(企業)を選び分析するバーチャル投資とする。
・投資対象は、国内上場企業の現物取引。
・株式の売買価格は任意の時間の価格とする。
・競技期間は6か月。順位は、投資した銘柄(企業)の運用・売買で得た6か月の合計の利益額で決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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