2022年7月、2023年卒の大学生・大学院生の就職活動状況は終盤戦に入ったようだ。新型コロナの拡大が落ち着きを見せ、「対面」での面接も復活し、企業側も過去2年間、思うようにできなかった若い人材確保に本腰を入れ始めている。
就職情報サービスの「学情」(東京都千代田区)が2022年7月4日、2023年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象にした「内々定(内定)率調査(2022年7月度)」を発表した。6月末時点での内定獲得率は8割近くに達し、半数以上の学生が「就活を終了した」と答えている。追い込みをかけている残り4割の学生にはエールを贈りたい。
熱心に絞り込みを進める内定獲得学生
調査によると、「現在までに内定を獲得したか」と聞くと、78.8%が「はい」と答えた。前年同期は74.8%だったため、4.0ポイントを上回っている。また、内定者の文系・理系の比較を見ると、理系86.9%(前年同期83.3%・プラス3.6ポイント)、文系74.6%(前年同期70.4%・プラス4.2ポイント)と、理系のほうが内定獲得のスピードが早い=図表参照。
また、「累計で何社、内定を獲得したか」との問いには、「1社」が最多で31.1%。次に「2社」が28.1%、「3社」が14.5%と続く。「4社以上」も26.3%、約4人に1人おり、優秀な学生は絞り込みに入っていることがうかがえる。1人あたりの内定獲得平均社数は2.78社で、昨年同時期の2.36社を大幅に上回っている。
そして、内定企業1社の学生に「内定獲得企業への入社意思はあるか」と聞くと、「強く入社を希望する」が65.0%となった。これは、昨年同時期よりも1.7ポイント下回った。
一方、複数の企業から内定を得ている学生に同じ質問をすると、「強く入社を希望する」という答えが78.4%と、昨年同時期よりも9.9ポイントも上回った。これは、就職環境が昨年よりもよい状況なので、1社の内定では納得せず、複数の企業から「いい返事」を獲得する学生が増えているからだとみられる。
「内定を得た企業の業種」を訪ねると、ダントツの1位が「IT・ソフトウェア・インターネット」(20.1%)、次いで「教育・福祉・その他サービス」(12.9%)、「電気機器・精密機器」(9.6%)、「建設・住宅関連」(8.6%)、「情報・調査・コンサルティング」(7.9%)と続く。
情報関連業界は、スキルを持った優秀な学生は海外からも引っ張りだこなので、企業も早くから獲得に動いたようだ。