夏のボーナス平均支給額58万円、昨年より1.6万円アップ! 使い道に「国内旅行」浮上も、新型コロナ「第7波」で暗雲

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   今年の夏のボーナスの平均支給額は約58万円と、昨年より約1.6万円増えていことが、日本生命保険が2022年7月6日に発表した「夏のボーナス調査」でわかった。

   コロナ禍前の2019年よりは約3万円少ないが、使い道の2位に「国内旅行」が浮上、ようやく明るい兆しが見えつつあるが......。

  • ボーナスはやっぱり嬉しいもの(写真はイメージ)
    ボーナスはやっぱり嬉しいもの(写真はイメージ)
  • ボーナスはやっぱり嬉しいもの(写真はイメージ)

支給額で一番多いのは50代、74.9万円

   日本生命保険の調査結果によると、平均支給額は58.0万円となり、昨年(2021年)と比べて約1.6万円増加した。支給額で一番多いのは50代の74.9万円(男性87.6万円、女性42.3万円)で、次いで40代の58.1万円(男性67.8万円、女性39.3万円)と続く。ただし、コロナ禍以前の2019年に比べると、平均支給額は3.0万円減っている。まだ、新型コロナの影響から脱し切れていないようだ=図表1参照

(図表1)ボーナスの平均支給額(日本生命保険の作成)
(図表1)ボーナスの平均支給額(日本生命保険の作成)

   意外なことに、女性では70代以上の支給額が45.0万円(昨年は44.5万円)と、いずれも各世代をとおして最も多いことが目につく。はっきりした理由は不明だが、「役員報酬」が入っているのだろうか。

   支給額が「昨年と比べて増えたかどうか」を聞くと、「増えた」という人は15.2%となり、昨年(12.7%)より2.5ポイント増加した。しかし、「減った」 という人が約2割の20.6%(昨年は27.6%)おり、「変わらない」という人は64.3%(昨年は59.7%)だった。

貯蓄・資産形成に「回さない」人が4分の1

   さて、ボーナスをどのように使うのか。ボーナスを貯蓄・資産形成に「回すか回さないか」を聞くと、「回さない」と答えた人が4分の1の24.6%となった=図表2参照

(図表2)ボーナスを貯蓄・資産形成に回す割合(日本生命保険の作成)
(図表2)ボーナスを貯蓄・資産形成に回す割合(日本生命保険の作成)

   貯蓄・資産形成以外の使い道を聞くと、「生活費の補てん」が3年連続1位で19.7%となった。2位に「国内旅行(宿泊あり)」(16.0%)が浮上した。昨年(2021年)は4位、一昨年(2020年)は3位だったから、ようやくコロナ禍の打撃が癒えて、日常生活が戻りつつあることを反映しているようだ=図表3参照

(図表3)ボーナスの貯蓄・資産形成以外の使い道(日本生命保険の作成)
(図表3)ボーナスの貯蓄・資産形成以外の使い道(日本生命保険の作成)

   しかし、ここにきてオミクロン株の「BA.5」への置き換わりが進み、新型コロナの感染者が急拡大しており、7月7日(午後7時半時点)の段階では、全国の感染者は新たに4万7977人が確認された。「第7波」への危機感が高まっており、「国内旅行」への使い道も不透明さを増している。

   ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト矢嶋康次氏は、今回の調査についてこうコメントしている。

「コロナ禍も3年目に突入しましたが、ボーナスの平均支給額はコロナ前の水準に戻っておらず、貯蓄・資産形成以外の使い道として『生活費の補てん』が1位と厳しい状況が続いています。(中略)それでも、『生活費の補てん』の占率の減少や、『国内旅行(宿泊あり)』の割合の増加のように、昨年までからの変化もみられます。現在のところ感染状況は比較的落ち着いており、行動制限も出ていません。また、Withコロナの考え方も浸透しつつあります。そのような変化が、ボーナスの使い道に対しても影響を与えているのかもしれません」

   調査は2022年6月1日~6月16日、インターネットを通じて行い、1万2160人(男性6155人、女性5856人、その他・未回答149人)から回答を得た。

(福田和郎)

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