暗号資産バトルは第5節(2022年6月27日週)。北海道大学の花野直樹さんが初めてエントリーした。選んだのはビットコイン(BTC)。「1か月、何もエントリーしていないことに我慢ができずエントリーしてしまいました」というが、その結果は......。
「#PolygonTokyoHack」というハッカソンに出場した明治大学の城正人さんは、短期的な上昇をねらい、IEO銘柄の「FCRコイン」を買った。東京大学の迫嵩明さんは取引をお休みした。
現物の短期トレードはかなり難しい......(北海道大学 花野直樹)
【総括】
今週(6月27日週)初めに、このトレードバトルで初めての買いのエントリーをしました。エントリーの根拠としては200MA(日足チャートの場合、200日間の価格の平均をグラフに表したもの)より上、MACD(マックディー)がゴールデンクロスという理由です。200MAより上といっても直前で1時間足200MAの上や下を行ったり来たりするようなレンジを形成しており、上昇の勢いはそこまで強くないと感じましたが、ポジポジ病末期患者の僕としては1か月、何もエントリーしていないことに我慢ができずエントリーをしてしまいました。
BTC価格287万2643円で、8681円分の買いエントリーをし、損切りは逆指値を1時間足で見た直近の安値の少し下である281万円で機械的に行います。昼頃にエントリーしたのですが、そこからあまりチャートが見ることができず、夜にどうなっているか確認したところ逆指値に引っかかってしまっていました。(泣) 結果として、初のトレードで246円の損失を出してしまいました。
反省点としては上昇の勢いがあまり強くないのにエントリーしたことです。また毎度愚痴ってることですが、現物取引の手数料が1?2%取られてしまい、短期取引をするにはかなり厳しい条件になってしまいます。やはり現物の短期トレードはかなり難しい戦いになるかもしれません。
来週からの相場ですが、ビットコインは現状下げていますが、まだ6月19日につけた年初来安値の238万円を割っていません。しかし、今週発表されたISM製造業指数などの経済指標も悪く、株も仮想通貨もあがる材料というのは見当たりません。よって、来週以降安値を割りに行くか少し上昇しても上値は重い展開になり、個人的には買いでエントリーするタイミングではないかなと思います。
なので、今後の値動きを占うためにチャートやニュースを見て今後に備えるか、もし安値を割るくらいの下落の勢いが出るようならば慎重にショート(売り)も考えたいと思います。
【今週の取引】
取引日時 取引した暗号資産と売買状況 取引結果
6/27 ビットコイン 8681円分を購入(287万2643円)その日のうちに決済 ▲246円
前週からの損益 マイナス246円
7月1日現在 9754円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
初トレード、お疲れさまでした。200日移動平均線とMACDを利用してエントリーポイントを探ったとのことで、テクニカル的には間違っていない戦略だと感じました。おっしゃるとおり買いの勢いは大きくないため、現時点で上昇し続ける様子は期待できそうにないですね。
もし短期トレードを検討している場合、DMMのように取引手数料無料(2022年7月6日時点)の取引所もあるため、手数料負担の少ないところや、スプレッドの狭いところを選ぶのがオススメです。
また、安値を割るタイミングを見るためには、各国の規制や大口の売り・関連企業の倒産・ハッキングなどのような、市場に影響を与えるような情報をチェックすると良いと思います。
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!
IEO銘柄の「FCRコイン」に注目!(明治大学 城正人さん)
今週(6月27日週)、私は #PolygonTokyoHack というハッカソンに出場しました! 私たちのチームは、トークンの所有権をNFT(非代替性トークン)とペグ(固定)した「プリペイドカードNFT」を引っ提げて出場。優勝はかないませんでしたが、とても良い経験となりました。今後、さらにブラッシュアップしサービスの開始をできればと考えています。
優勝こそできなかったものの、せっかく出場したので、今回は「そもそも、DeFiの利点って何?」というところを、まず解説します。そしてDeFiの課題について、また私たちのプロジェクトがどのように課題に対処しようとしたのか、お伝えしようと思います。
・そもそもDeFiってなんだ!
最近耳にする機会が増えたDeFi(分散型金融)。DeFiとは、中央に管理者のいない金融システムのことです。安全性はブロックチェーンによって担保され人間の手を介することなく自動で動き続けます。
DeFiには取引所であったり貸し借りのプラットフォームであったりと、さまざまなプロトコルがあります。中央管理者が存在せず24時間365日利用可能なうえ、取引コストも比較的安く、完全に匿名での取引が可能です。
今回、私たちが解決しようとしたのは「貸し借り(レンディング)」に関するDeFiの課題でした。DeFiで資産を貸し出す際の魅力は、なんといってもその金利収入にあります。たとえば、日本円ステーブルコイン「JPYC」の場合impermaxを利用すれば、ただ預けるだけで年利15%を得ることができます。100万円預けたら、1年間で15万円増えているなんで夢見たいですよね。
しかし、レンディングプロトコルの問題として
● DeFi運用しているトークンを利用するためには、その都度引き出す必要がある
● 貸し出した資金が全て借りられてしまった場合、返済されるまで引き出すことができなくなる。
といったデメリットが存在しました。
日常生活でたとえるなら、ちょっとパンを買いに行くために毎回ATMからお金を引き出す必要があるうえ、預けた資金がすべて借りられていたら引き出すことができない。そんなバカな話はありませんよね。
・チームのプロダクトについて
そこで、私たちは資金の流動性を確保しつつ、運用可能な方法はないか模索し、たどり着きました。JPYCを一たん私たちがお預かりし、代わりに預かり証としてNFTを発行。預かった資金はDeFiで貸出し金利収入を得る。そして、NFTを返却していただいた際にはお預かりした資金は返済するという仕組みです。
ただ、法律との兼ね合いから、得た金利収入の分配方法については検討中で、コントラクトは作成途中です。
このアイデアの何が革新的かといえば、NFTが決済経済圏を作り始めるところです。たとえば1000JPYCを預けてNFTを受け取った場合、NFTは1000JPYCとペグされることになり、実際の決済においてNFTで支払うなんてことが可能になります。しかし、そのNFTは保有し続ける限り金利収入を生み続けます。
つまり、支払いのためにDeFiから引き出す必要はありません。まるで財布の中に現金を入れているような流動性でいて、証券のように金利を生み続けるという体験を提供します。
今回はJPYCを例に挙げましたが、要は投資としての需要だけでなく実際に決済手段としての利用が考えられるトークンであるならばその需要はあります。今後、さらなる利用の拡大を見据え、DeFi含めの暗号資産業界のユーザー体験は重視されるポイントになってくると考えています。私たちの解決策がその一助となれば幸いです。
【まとめ】
今回は私たちが#PolygonTokyoHack において提出したアイデアをご紹介しました。暗号資産の市場は現在厳しい状況に置かれていますが、そんな中でも開発は着実に進んでいます。目先の短期的なトレードだけでなく長期的な投資をしていきたいものですね。
最後に今週の取引について、GMOのIEO(Initial Exchange Offering=暗号資産交換業者を介して行われる資金調達の方法)銘柄の「FCRコイン」がグッズ購入などにIEO価格2.2円で利用可能になるということでしたので、短期的な上昇による利益を得るために購入しました。
【今週の取引】
取引日時 取引した暗号資産と売買状況
6/28 FCRコイン 買い @ 0.554円 2400枚 (購入金額1330円)
資産残高は、9926円(現金8486円+FCRコイン2400枚(1440円)
FCRコインを2400枚保有中。現在1枚0.6円のため、2400枚で評価額は1440円→取得価額1330円に対して110円の含み益。
保有する暗号資産 FCRコイン
前週からの損益 プラス110円
7月1日現在 9926円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
ハッカソン出場お疲れさまでした。筆者もNFTやDeFiには関心があるので、興味深く拝見しました。
プリペイドカードNFTの事例から、今後トークンに所有権が認められるようになるかという法的に未発達な部分も感じる一方で、ブロックチェーン技術を利用した開発には期待できるとも考えています。
また、FCRトークンのようなスポーツのファントークンはバイナンスなどの海外取引所では見られますが、日本国内では初の上場でしたね。一時的にIEO価格で利用できるとのことで、どれほど上昇を期待できるか予測困難ですが、利確ポイントを事前に決め、上昇したらすぐに売り抜けられるように準備されることを推奨します。
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
◆ 学業が多忙なため、取引をお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)
学業が多忙なため取引をお休みしました。
前週からの損益 プラスマイナスゼロ
7月1日現在 1万円
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/