石油・天然ガス事業「サハリン2」、ロシアが「接収」...強硬策に追い詰められた日本

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ロシア側、ルーブル払い提案...日本と米欧の分断狙い

   しかし、ロシアがここにきて強硬策に出たことで、日本は一気に苦しい立場に追い込まれた。

   インタファクス通信によると、サハリン2に50%超を出資する筆頭株主のガスプロム(ロシア政府系ガス大手)幹部は7月4日、LNGの取引代金の支払いをルーブル建てにするよう求める方針を示した。

   プーチン大統領は3月、日米欧など「非友好国」に対し、パイプラインで取引されるロシア産天然ガスの取引代金をルーブルで支払うよう命じる大統領令に署名した。その際、パイプラインによらないで海上輸送されるLNGは対象外で、これを主力とする日本は影響を免れてきた。

   サハリン2の「接収命令」に続き、LNGのルーブル払いをにおわせることで、中国と並ぶLNG輸入大国である日本に圧力をかけ、米欧との分断を図る狙いは明白だ。

「我が国の脆弱なエネルギー需給構造を踏まえつつ、慎重に対応していく」

   萩生田光一経産相は7月5日の閣議後記者会見で、ロシア側に対し、外交ルートを通じて日本企業に求める各種手続きの期限や出資条件について説明を求めていると明らかにした。

   萩生田氏はサハリン2を「日本の電力はガス安定供給の観点からも重要なプロジェクトだ」と強調。日本企業の出資継続に望みをつなぐが、国内のエネルギー関係者は「シェルがサハリン2から撤退する中、日本企業だけが出資を維持する現状は明らかに異様だった。いつロシア政府から絶縁状が届くか警戒していたが、それがようやく来た印象だ」とあきらめ顔だ。

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