「povo」への乗り換え人気は圧倒的、2位に4倍の大差
さて、7月から楽天モバイルの「0円プラン」廃止されたが、「Rakuten UN-LIMIT」のユーザーたちはどうするのか。今後の利用動向を聞くと、メイン利用者で「継続」と答えた人が65.4%、他社への「乗り換え」が29.0%、「解約を検討」が5.7%となった=図表3参照。
サブ利用者では「継続」が34.6%とメイン利用者に比べると減り、「乗り換え」が32.7%、「解約を検討」が32.6%という結果に。メイン・サブ利用ともに約3割のユーザーが他社への乗り換えを検討していることが分かった=再び、図表3参照。
では、どこに乗り換えるのだろうか。
乗り換えを検討しているユーザーに移行先を聞くと、メインユーザー(364人)の67.1%、サブユーザー(107人)の75.4%が乗り換える通信サービスをすでに決めていると回答。メインユーザーでは「povo」が36.8%と最も多く、2位のKDDIのサブブランド「UQ mobile」(9.1%)に4倍近い差をつけた。サブユーザーでも「povo」が44.0%と圧倒的な人気で、やはり2位のソフトバンクンのオンライン専用ブランド「LINEMO」(11.2%)の約4倍に達した=図表4参照。
どうして、「povo」は乗り換え先として人気があるのか。「povo」は2021年9月にサービスを開始した「povo2.0」になってから、月額「0円」を基本に各種のトッピングを組み合わせる料金プランに再編されている。
しかも、KDDIの高橋誠社長は5月13日の記者会見で、奇しくも同じ日に楽天の三木谷浩史会長が発表した「0円廃止」の件を聞かれ、「povo2.0と楽天モバイルとではサービスの性質が違う」「今のところ(基本料金0円を)止める理由はない」と答えて「0円」維持を明言しているのだ(なお、「0円」運用で続けるには、条件がある)。
もっとも、乗り換え先のダントツ1位に輝いたKDDIの「povo」だが、KDDIと言えば7月初旬、計86時間もの大規模通信障害を起こし、「povo」も3日間近くつながりにくい状態が続いたばかり。調査は通信障害以前に行われたとはいえ、乗り換え希望者にとっては「なんだかな~」とため息が出る結果になったかもしれない?
(福田和郎)