22年3月期決算は25億円の営業黒字に転換
サンリオの業績は2022年3月期連結決算で営業損益が25億円の黒字(前期は32億円の赤字)と黒字転換を果たした。コロナ禍が続いて、「サンリオピューロランド」のようなテーマパーク事業はなお厳しかったが、セブン-イレブンの「シナモロールくじ」などコンビニ分野の収益が拡大したことなどが貢献。反転攻勢を強める態勢が整いつつある。
大和証券は2022年3月期業績を受けた5月17日配信のリポートで、目標株価を2500円から2650円に引き上げ、「国内外ともに回復基調にある」と評価していた。
サンリオは国内の売上高が全体の4分の3程度と太宗を占めるが、海外でも健闘している。主にアジア、米国、欧州で展開しており、米国ではレディー・ガガのような著名人にも愛好され、一定の知名度を有している。
アジアでは中国大陸がメイン市場で香港、台湾、韓国が続く格好だが、なお中国大陸での成長余地が大きいとみられていた。それだけに、アリババグループと組むことによるビジネス拡大に投資家の期待が高まっている。(ジャーナリスト 済田経夫)