きょうは50代のOさんがいらっしゃっています。
「最近、芸能人が大学に通ったり、会社を経営したりとニュースで話題になっていますね。二足のわらじ、今でいうところの『パララルキャリア』と呼ぶのですかね。私は将来、働き続けても給料が下がることは分かっていますが、新卒から一つの会社で働いてきたので他のわらじが思い浮かびません。『副業で何ができるのか』『自分にはいかせる才能があるのか』が思い浮かびません。いろいろな才能がある人がうらやましいです」
本業とは別に「まずは2万円稼ぐ」を考える
将来、今よりも給料が下がってしまうことがわかっているならば、「雇用延長した場合はどれくらいの給与になるのか」「今よりどれくらい下がりそうなのか」、ざっくりでもいいので計算してみましょう。
たとえば10万円、20万円下がるとします。「この金額を本業以外でどうやって補おう」と考えみても、なかなか思い浮かばないと思います。そこで、「稼ぎ口を複数持つ」という考え方をしてみましょう。
「本業とは別に10万円を稼ぐ」よりも「まずは2万円稼ぐ」と考えた方がスタートしやすいと思います。2万円稼げる仕事を1個、2個と収入源を増やしていくと、そのうち10万円に到達することもあるでしょう。そこでおすすめなのが「パラレルキャリア」です。
「パラレルキャリア」とは、オーストリア人経営学者のピーター・ファーディナンド・ドラッカーによって提唱された言葉。「本業を持ちながら、第二の活動をすること」を意味します。この第二の活動には明確な定義はなく、収入を生み出すものや収入を目的としないボランティア活動なども含みます。ひとつの仕事を本業ととらえず、すべての仕事や活動に本業と同じように取り組むことがあるため、「複業」とも呼ばれます。
未来に向けてのパラレルワーカーになるには?
まわりを見渡すと、すでにいろいろな活動をしていて、「これもやって、あれもできるの!?」と才能が溢れている人がたくさんいますよね。まさにパラレルワーカー、「芸能人だから・あの人は頭がいいから・仕事ができる人だから」と思いたくなる気持ちもわかります。
でも、そこは違うのです。やはり新しいスキルを身につけるためには、芸能人だって、パラレルワーカーだって「学びの時間」を作っています。社会人になって大学に通うのもそうですよね。そうやって、もともと何か準備をしていない限り、明日からすぐにお金を稼ぎ出すことは難しいものです。
「でも、やはり自分は何ができるんだろう」って立ち止まってしまう気持ちも出てきますよね。だからといって、やみくもに資格を取るのはやめましょう。資格を取って、講座を受けて、結局そのまま、宝の持ち腐れになっていませんか、Oさん。「はい、その通りです」(Oさん)。パラレルワーカーになるには、実践が必要です。
将来のための準備期間として考えてみる
そこで、今すぐお金を生み出せなくても、将来の必要なその時に向けて備えるための「準備期間」だと割り切ってみましょう。ボランティア活動でもいいですし、役割を持って会社以外での活動をすることが大事です。Oさんの場合、すでに持っている資格をいかして、「資格取得のためのスクールのサポーター」などの募集もありそうですよね。時給は安いかもしれませんがまずは実践あるのみです。
私は勉強しながら知り合いのYouTube用の動画編集を手伝ったことがあります。調べながら作るので時間がかかり、時給にすると200円くらいでした。今は続けていませんが、価格設定、単価を上げるための工夫など勉強になりましたね。一緒に勉強しながら、活動していた別の人は今も仕事として続けています。続くか、続かないかは「やってみない」とわかりません。
40代、50代は20代、30代と比べると先の時間は少ないので「元手がかかるものに、やみくもに手をつける」のはおすすめしませんが、気になったことは挑戦するのはいいと思います。気軽に仕事を見つけられる便利な「クラウドソーシングサービス」もあるので、すぐに実践ができます。
最初から稼ぐ出すことは難しいと割り切って、将来2万円~10万円と稼ぐための準備期間だと思って動いてみましょう。Oさんも今の収入がある期間、心の安定があるこの時期にぜひパラレルキャリアを目指してはいかがでしょうか。時間管理能力やお金の仕組みも身に付きますよ。
(ひろ子ママ)