スマホ社会の「弱点」直撃!つながらない人続出! KDDI大規模通信障害が教えた「困った時はお隣さんに電話を借りに行こう」

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臨月の妊婦「陣痛が起こっても連絡が取れない」

陣痛が始まったらどうしようと不安だった人も(写真はイメージ)
陣痛が始まったらどうしようと不安だった人も(写真はイメージ)

   今回のKDDIの通信障害、インターネット上で怒りの声であふれている。まず、専門家はどう見ているのか。ヤフーニュースのヤフコメ欄では、日本総合研究所上席主任研究員の石川智久氏がこう指摘した。

「多くの企業でシステムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化するなか、こうした事態はこれからも発生するとみられます。今回の事案を踏まえて、情報開示のあり方、他の会社によるバックアップ、損失負担や補償のあり方などを検証する必要があるでしょう。またシステム人材の育成も急ぐ必要があります。デジタル化やDX化が叫ばれていますが、システムの安定運用が行われなければ、それらが経済効果を生み出すことは難しくなります。日本の産業界全体で対策を考えるべき問題です」

   法政大学大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は、現在行われている参議院選挙への影響を心配する。

「現在の選挙戦は、情報戦の側面が強い。対立候補がどこを遊説しているのか、どういったことを訴えているのか、そしてどこを街宣車が流しているのかを逐一確認しながら、各陣営とも対策を行っている。(中略)その中でも大きな力を果たしているのがFacebookの更新であり、空き時間におけるスマホからのTwitterの更新だろう。こうしたことに支障がきたされるというのは、有権者の候補者の選択にも大きな影響を与える可能性がある」

   同志社女子大学学芸学部メディア創造学科の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は、まだ大多数のユーザーのスマホが使えない段階で、KDDIが「おおむね復旧した」とアピールする姿勢を批判した。

「感情的に怒りをぶつけるつもりはありませんが、『作業完了』とメディアを通じて報じられても、実態はかけ離れていることに大いなる違和感を禁じ得ません。むしろ『完全復旧ではない』ことを強くアクセントすべきではないでしょうか。冷静さを忘れず今回のことを2度と繰り返すことのなきよう、原因の徹底的な検証・究明と対策を全力で講じて頂きたいと思います」

   ヤフコメ欄でもこんな「被害」の声が相次いだ。

「出産予定日まで1週間を切り、いつ陣痛や破水が起こるか分からないのに、電話が繋がらない状態で非常に不安です。当初は土日の間に回復するという見込みだったので、主人に公衆電話に走ってもらったら何とかなるだろうと対策を考えてはいましたが、月曜(7月4日)になってしまい、今日からは日中は1人で、身内も近くにはいないし、困っています」
「介護の仕事をしています。現場に到着したら到着したメール。介護内容や利用者さんの状態の報告。帰宅するメール。利用者さんの状態を相談したい時の電話。すべてWi-Fiがないので使えません。(中略)本当に困っております。仕事中に子どもの具合が悪くなったとかの連絡も受け取れない状態ですし、色々と不安でなりません」
「職場(病院、介護施設等)の電話はすべてauの携帯電話です。(中略)こちらからかけられない以上、朝から手分けして患者・利用者さん宅に回って事情を説明したり、安否確認や健康状態の確認等を行ったりしています。中には、自宅の固定電話の回線もKDDIを利用されている方もいて、その方とは双方に連絡がつかない状態なので、包括支援センターや遠方の家族の訪問協力も仰がなくてはならず、みんながてんてこ舞いです」
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