食パン・ハムなど、2回以上値上げ目立つ
値上げ率も平均15%に達している。8月以降は食材価格に加え、原油高に伴う物流コスト、急激な円安による輸入コストの上昇分を価格に転嫁する動きが出るため、さらない上がる見込みだ。
加工食品に次いで目立つのが、酒類・飲料(3585 品目)。前月から約1300品目増えたほか、値上げ率も平均15%に達した。ビール類では麦芽・トウモロコシなどの価格上昇が、清涼飲料水ではペットボトルなど包装資材の価格高騰が響き、秋口以降一斉に値上げされる。また、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料が2627品目、スナック、チョコレート、アイスクリームなどのお菓子も939品目値上げされる=図表3参照。
また、食パンやハム、缶詰などで年内に2回以上値上げをする品目が多いことも特徴の1つだ。食用油のように昨年4月からを含めると6回も値上げするものもある。
帝国データバンクでは、
「夏以降は原材料費の上昇に加え、急激に進んだ円安による輸入コストの上昇を主な値上げ理由とするケースが目立ってきた。1ドル130円台を『既定路線』として受け止め、これらの相場を前提とした価格設定を決断していることも、8月以降に値上げペースが加速する要因となっている」
「今年初めに値上げを行っている企業・品目では、現在の為替水準を前提としていないケースが多く、既に再値上げ・再再値上げといった動きが足元で進んでいる。そのため、値上げは秋口にかけてさらに増加し、年内で累計 2万品目を超える可能性が高い」
と分析している。
(福田和郎)