猛暑で電力供給ピンチの日本! それなのに「エアコンつけて」の警告...海外メディアは違和感アリ?!(井津川倫子)

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海外メディアが疑問「なせ電力ひっ迫なのに、エアコンの使用を薦めるの?」

   日本の猛暑を伝える海外ニュースで、よく目にするのが通勤途中で「扇子」をあおいでいるビジネスパーソンの写真ですが、最近は「携帯扇風機」で涼をとる人の写真もよく使われています。海外の人にとって、「携帯扇風機」を持って歩いている姿はめずらしいのでしょう。

   さらには、「Is it time for men in Japan to start using parasols?」(そろそろ、日本の男性が日傘を使い始める?)と、暑さ対策で男性用日傘が普及し始めていることに触れたニュースもありました。

   そんななか、各国メディアが注目しているのが、「熱中症対策にエアコンをつけて」といった呼びかけです。「電力需給ひっ迫注意報」を発令して節電を呼びかけているのに、なぜエアコンの使用を促すのか。エアコンは特別扱いなのか......。海外メディアの目には「日本のふしぎ」に映ったようで、次のようなニュースになっていました。

Here's why millions of Japanese are told to turn off lights but keep air conditioning on
(数百万の日本人が「電気は消してもエアコンはつけろ」と言われる理由:米メディア)

   ニュースでは、日本では危険な暑さのなか、熱中症による病院搬送や死亡が増えており、とくに高齢の人々が危ない状況にあることを具体的な数字をあげて伝えています。そして、節電は不可欠ではあるものの、命を守るために「エアコンは別格」であると、その理由を説明しています。

   たしかに、地球温暖化の影響で世界でも猛暑が広がっていますが、日本と違って朝と晩は涼しくなるエリアも多く存在します。とくに、朝晩が冷え込む欧米諸国では「エアコン無し」の住居がデフォルトですから、一晩中熱風に包まれているような日本の夏はイメージできないのでしょう。

   「一晩中エアコンをつけて寝る」といった私たちにとっての「あたり前の習慣」は、海外の人々にとって「日本のふしぎ」だったのでしょうか。いずれにしても、「節電でもエアコン」がニュースになるとは、意外な注目ポイントでした。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「猛暑」に関する英語を紹介します。オフィスや知人との会話ですぐに使える表現です。

Historic and dangerous heatwave
(歴史に残る危険な猛暑だ)
heatwave:猛暑

Please switch off unnecessary lights
(無駄な電気は消して下さい)

Please use air conditioning to avoid heatstroke
(熱中症を避けるためにエアコンはつけて下さい)
heatstroke:熱中症

   報道によると、欧州でも6月に猛暑日を記録するなど「異常事態」が発生しているようです。住居も車も「エアコン無し」の生活がどこまで維持できるのか......。喜ばしいことではないですが、エアコンニーズが高まって「日本のふしぎ」が世界の常識になる日は近いかもしれません。

(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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