ポジションをとるタイミングを狙って......(明治大学 城正人さん)
今週(6月20日週)は「マイクロストラテジー 追証に?」というトピックが話題になりました。ビットコインを大量に保有しているマイクロストラテジー(MSTR)は、2021年には大きな評価益を計上し、大量にビットコインの買い増しを続けてきましたが価格急落により窮地に追いやられているようです。今回はなぜこのような状況になったのかご紹介します。
◆ MSTRの借入金
MSTRのFY2022 1Q(2022年3月期第1四半期)決算説明資料によると、Silvergate Bankからおよそ2000万ドルを借入れているようです。担保として差し入れられたのは3万3575枚のビットコイン。借入当時の評価額でおよそ8000万ドル。つまり借入金に対する担保比率は25%とかなり安全なレートで借入れていました。
担保比率が50%を割った時点で追加担保を差し入れるという契約になっており、契約した際から価格が半分になり担保比率が50%を割ってしてしまったため、追加の担保が必要という状況になりました。
しかし、MSTRの保有する12万枚を超えるビットコインのうち、現在担保となっているのは4分の1の約3万枚。「追加担保の差し入れが必要」とのインパクトある言葉と比較するとまだまだ担保には余裕もあり、それほど緊急事態ではないといえるでしょう。
しかし、MSTRのビットコイン平均取得単価は1枚当たり3万ドル、12億ドルの含み損を抱えた状況です。投資を行う際にはまだまだ厳しい展開が続く可能性があることも認識しておきましょう。
◆ ビットコインに積極的なあの国は......
ここまでビットコインに積極的な投資をしている企業MSTRを紹介しましたが、最後にビットコインに積極的に投資するこの国を紹介しないわけにはいかないでしょう。その国とはズバリ、エルサルバドルです。
エルサルバドルはちょうど1年前、全国民に30ドル相当のビットコインが配布されたことでも話題となった国です。
ブケレ大統領のツイートから推測した記事によると、エルサルバドルは取得単価4万5299万ドルで2301枚を保有。現在評価額は5200万ドルを超えるとも推測されています。
取得単価が非常に高く財政状況を揺るがす事態になっていないのかと心配になりますが、政府の保有する外貨準備高はおよそ30億ドルもあり、あれほど積極的な姿勢を取る割にはしっかりリスクを抑えた冷静な取引をしていると言えるかもしれません。
強い産業が存在しない、新興国だけにデジタルアセットの分野に集中投資、今後ビットコインシティなどの建設も予定しているということで、なんだかワクワクしますね!
◆ 今週の取引
今週は横バイで推移し、下に抜けるか上に抜けるかというせめぎ合いでした。なかなか方向感のつかない、取引なしという結果になりました。
それでは、また来週!
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
6月25日現在 9816円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
ここ数か月の下落相場によって、ビットコインに投資していた企業の含み損が大きくなりました。マイクロストラテジーやエルサルバドルの他に、テスラでも同様のことが発生していますが、含み損を抱えているものの、ビットコインを売らずに保有し続けていますので、ビットコインへの期待度は現在も高いと推察されます。
しばらく仮想通貨の市場は低迷し続け、ビットコインの売却やVCの崩壊など続く可能性も考えられますが、市場価格が上昇に転じたところでうまくポジションを取りたいところです。
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo