時短勤務の人が出張したい、と立候補 「出張する余裕あるなら普段の仕事も...」上司発言は正論か「差別」かどうかで大激論...専門家に聞いた(3)

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「時短女性も出張して成果を出せる根拠を説明すべき」

出張先ではちゃんと打ち合わせができるのに(写真はイメージ)
出張先ではちゃんと打ち合わせができるのに(写真はイメージ)

――すると、出張にいち早く手を挙げた時短勤務の女性には問題はないと......。

川上さん「一方、周囲の感情を無視するようなかたちで、出張に手を挙げた時短勤務のメンバーにも問題はあると思います。自分さえいい思いができるなら、同僚たちの感情はどうでもよいというスタンスではチームの和が乱れてしまいます。
自身が出張に相応しいと考えるなら、時短勤務であってもきちんと出張に対応できること、出張することでしっかりと成果が出せることを説明するのも職場の一員として大切な役割であり姿勢です。自分の意見が認められないからと感情的に反発するだけでは、誰がその出張の適任者なのかという、最も重要な観点が置き去りになってしまいます」

――時短経験者の中には、「時短だから出張してはいけない」という考え方はおかしい。自分も事前に出張の日取りがわかっていれば、夫や父母に頼んで出張に行った、という意見の人がかなりいました。また、「自分たちが行きたければ立候補すればよい、時短勤務者を責めるのはおかしい」という意見もあります。

川上さん「『時短だから出張してはいけない』という意見がおかしいのは、その通りだと思います。出張に限らず、仕事で求められるのは成果です。時短勤務しているのか否かではなく、その出張で求められている仕事を完遂し、しっかりと成果が出せるか否かで判断されるべきです。
しかし、『自分たちが行きたければ』とか『責めるのはおかしい』などと言うのは、あくまで感情の話。職場は、どう仕事を進めれば最も高い成果につながるのかを中心に形成されるべき場です。感情の置き所にばかりフォーカスした議論は、職場で考えるべき観点としては中心から外れてしまっているように思います」
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