時短勤務の人が出張したい、と立候補 「出張する余裕あるなら普段の仕事も...」上司発言は正論か「差別」かどうかで大激論...専門家に聞いた(3)

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   職場のチームに出張のミッションがくだった。行き先は観光地、翌日は休日となり、観光地で遊べる「美味しい出張」だ。

   立候補したのが5歳の子を持つ時短勤務の女性。普段、同僚から仕事のフォローを受けている。上司が「出張に行く余裕があるなら、普段の仕事も調整してもらえますか」と言うと、その女性は「時短だからって仕事(出張)をさせてもらえないのは差別」と人事課に駆け込んだ。一方で、メンバーの一人は「尻ぬぐいはもうたくさん」と憤っている。

   炎上気味なこの投稿、上司のこうした言い方は「差別」になるのか。時短勤務のあり方を専門家に聞いた。

  • 「時短の差別」に憤る女性(写真はイメージ)
    「時短の差別」に憤る女性(写真はイメージ)
  • 「時短の差別」に憤る女性(写真はイメージ)

「仕事を完遂させる条件を備えているかどうかで出張の可否判断を」

   <時短勤務の人が出張したい、と立候補 「出張する余裕あるなら普段の仕事も...」上司発言は正論か「差別」かどうかで大激論...専門家に聞いた(1)>および<時短勤務の人が出張したい、と立候補 「出張する余裕あるなら普段の仕事も...」上司発言は正論か「差別」かどうかで大激論...専門家に聞いた(2)>の続きです。

――時短勤務の女性が、チーフの「(出張に行く余裕があるなら)ルーティンが時間切れで回らない時も調整してもらえますか」と言ったことに対して、「時短に対する差別」として人事に駆け込みました。この「差別だ」との主張を批判する人が多いのですが、川上さんはどう思いますか。

川上敬太郎さん「日ごろは時短勤務でも、日によっては調整できることもあると思います。出張も含めたさまざまな仕事機会は、時短勤務という理由だけで一律に奪われるべきものではないはずです。
また、職場は時短勤務を認めてきたにもかかわらず、出張希望に手を挙げたからという理由で時間調整を求めるというのは、本当は時短勤務してほしくない、というメッセージを暗に出しているようにも受け取れてしまいます。時短勤務のメンバーとしては、感情的に反発してしまうのも致し方ないと思います」
「出張する余裕があるなら、普段の仕事でも...」と上司(写真はイメージ)
「出張する余裕があるなら、普段の仕事でも...」と上司(写真はイメージ)
川上さん「しかし、なかには時短勤務を基本としている人にとっては完遂することが難しい仕事もあります。それらは実情と照らし合わせて、冷静に判断されなければなりません。時短勤務だからダメということではなく、仕事を完遂させるために必要な条件を備えているかどうかで出張対応の可否が判断されないと、不当に仕事機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
ほかにも、妊娠しているから負担がかかる仕事を任せられない、とか、障害があるから責任が重い仕事はやらせられない、といった誤った決めつけがなされるケースがありますが、それらのケースと同様の印象を受けます」
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