「時短になった途端、無責任な人と見なされるのが悲しい」
J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、今回の時短勤務の女性が出張に立候補したことをめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――今回の投稿と多くの回答者の意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「フルタイム勤務で働く人が多い職場の中で、時短勤務で働く人は得てして特殊な存在になってしまいがちです。その特殊性が、時に周囲との間に感情的な軋轢を生んでしまうことがあります。投稿内容を拝見して、そんな感情の軋轢が前面に表れてしまった典型的なケースの1つだと感じました」
――背景には、時短勤務の女性が泊まりのある出張、しかも観光地にある場所にいち早く立候補したことがあります。出張に行く余裕があるなら、なぜ普段から同僚に仕事のフォローさせているのだという不満が投稿者や関係者にあります。時短の働き方について、川上さんが研究顧問をされている、働く主婦層の調査機関「しゅふJOB総研」で調べたことがありますか。
川上さん「時短勤務など柔軟な働き方をした経験がある主婦層に『後ろめたさを感じたことがあるかどうか』を調査したことがあります。
◇柔軟な勤務時間で働いた際、同僚たちに後ろめたさを感じたことがあるか?
6割近い人が感じたことはないと回答した一方、同僚より早く帰宅することに後ろめたさを感じたという人も3割近くいました。フリーコメントには『会社が時短勤務を許可したのに、私だけが優遇されて、責任感がないと言われた。隣の芝生は...状態で理解されない』『今までどんなに責任を持って仕事をしてきても、母親になった途端に仕事に責任を持たない人と見なされるのが悲しい』といった声がありました」