日本の社外取締役9400人に注目
「週刊ダイヤモンド」(2022年7月2日号)は、「社外取締役 上場3700社9400人の序列」というディープな内容の特集を組んでいる。企業のガバナンス改革が進み、社外取締役が増えている。だが、実態は「数合わせ」や「お飾りでも高報酬」の「紛い物」が横行している、と厳しく指摘している。
社外取締役比率を少なくとも「3分の1以上」に、女性や外国人、職歴などのバランスに配慮を、などの声が高まり、社外取締役の重要度が増している。同誌では上場企業3700社の社外取締役9400人を徹底分析し、すべて実名で興味深い実態を明らかにした。
推計報酬額や兼務社数、業績などをもとに、社外取締役「大物度」ランキングを作成した。1位となったのは、ソニーグループ、三菱商事、オリックスなど超大手4社の社外取締役を兼ねる女性起業家だった。大手企業からは経営者としての知見が期待されているようだ、と見ている。
また、報酬額だけを集計したランキングや、取締役会への出席率が悪い「ワースト」55人のランキングも。2人は出席率が50%を切っていた。社外取締役とはいえども全ての取締役会に出席すべきだという考えが世界の投資家に広まっているとして、問題視している。
さらに、赤字で株価も解散価値すら下回るのに、高報酬を得ていた社外取締役227人の実名も明らかにしている。
このほかにも、日産自動車やみずほフィナンシャルグループ、東芝などの社外取締役の問題について詳しく報じている。
社外取締役に関しては、企業の内部ましてや外部からは目が届きにくいため、健全な運営が行われているのか分からない部分が大きかった。さまざまなデータを入手し、ランキングという形で世に出した同誌の努力を多としたい。