新たに就任した会長兼CEO・ジュネジャ氏の手腕にも期待
こうしたこともあって野村証券は6月14日配信のリポートで、亀田製菓の投資判断を3段階で真ん中の「ニュートラル」から最上位の「バイ」に格上げし、目標株価も3700円から5500円に引き上げた。
リポートは「短期的には(三幸製菓の)生産停止の延期に伴い、(亀田製菓の)売り上げ拡大や販売促進費の効率化が利益貢献するだろう」と指摘。また、「中期的には価格競争に陥っていた米菓市場の特売が是正され、高いブランド力を有する(亀田製菓の)商品への需要が増加する」との見方を示した。
一方、亀田製菓の人事に目を向けると、6月14日に副社長から昇格し、会長兼CEOに就任したのがインド出身のジュネジャ・レカ・ラジュ氏(70)。ロート製薬副社長などを務めたジュネジャ氏を2年前にスカウトした現シニアチェアマンで前会長兼CEOの田中通泰氏(76)の肝いりの人事だ。
「米菓一本足」から脱却、代替肉、米粉パン、乳酸菌の3事業を強化して、新たな食品企業への衣替えを目指すうえで、しがらみのない新トップに経営を託すことにした。
今後は海外事業も本格化する方針で、ジュネジャ氏の手腕への期待も投資家の間にあるようだ。(ジャーナリスト 済田経夫)