今年夏のボーナス、大手企業は平均約93万円になることを2022年6月22日付会社ウォッチ「経団連企業『夏のボーナス平均93万円、昨年より14%増!』うらやましい?当然? 早くも冬のボーナス心配の声も」で報じたばかりだが、中小・零細企業ではどのくらい支給されるのだろうか。
会計・給与計算・勤怠管理などバックオフィス系業務のクラウドサービス「フリーウェイジャパン」(東京都中央区)が6月13日、中小・零細企業を対象にした「2022年度夏のボーナス実態調査」発表した。
それによると、支給されるのは約4割の企業で、支給額のボリュームゾーンは「10万円~30万円未満」だ。それでもコロナ禍の昨年よりグンとアップしているという。
「ボーナス制度がない」会社26%
フリーウェイジャパンの調査は、中小・零細企業の従業員279人と、経営者(代表取締役)114人からそれぞれ別々に回答を得ている。
まず、経営者114人に「夏のボーナス支給予定の有無」を聞くと、「支給予定あり・支給済み」が43.0%となり、同社が昨年行った同じ調査より24.5%ポイントも上昇した。一方で、「支給予定なし」は29.8%と、昨年調査よりも23.3%ポイント減少した。また、そもそも「ボーナス制度がない」というところが26.3%あった=図表1参照。
昨年よりボーナスを支給する企業が増えたのは、コロナが落ち着いたため、業績がよくなったからだろうか。そこで、「昨年度下期と今年度上期の業績の変化」を聞くと、「変化なし」が35.1%で最も多かった。
しかし、「昨年度下期から今年度上期を通して業績が上がった」(21.9%)と「昨年度下期では業績が下がったが、今年度上期は上がった」(10.5%)が合わせて3割以上おり、業績向上を実感している経営者もある程度いることがわかった。
支給額「50~60万円」「30~40万円」ともに約14%
実際に支給されるボーナスの額はどのくらいだろうか。
今度は、従業員279人に、夏のボーナスが支給されるかを聞くと、「すでに支給された」が1.4%、「まだ支給されていないが、支給金額は分かっている」が24.7%、「支給される予定だが、支給金額は分からない」が21.1%と、「支給」が決まっている人が計47.2%。「支給されなかった・支給される予定がない」が49.1%、「未定」が3.6%となった。半数以上が支給されないわけだ=図表2参照。
「支給」が決まっている従業員73人には、「金額」を聞くと、最多となったのは「20万円~30万円未満」で23.3%。以下、「10万円~20万円未満」が21.9%、「50万円~60万円未満」、「30万円~40万円未満」がともに13.7%と続いた。また、「150万円以上」という高額の人も5.5%(4人)いた。支給額のボリュームゾーンは「10万円~30万円未満」(全体の45.2%)だった=図表3参照。
さて、冬のボーナス支給はどうなるのだろうか。再び経営者114人に「見通し」を聞くと、「支給の見通しが立っている」と答えた人は37.7%、「立っていない」と答えた人が40.4%となった=図表4参照。
「支給の見通しが立っていない」経営者も何とか頑張って、ぜひ従業員にいい年を迎えさせてあげてほしいものだ。
調査は、2022年 5月23日~5月30日、中小企業・零細企業の従業員279人と経営者(代表取締役)114人を対象にインターネットで行った。