2023年卒就活生の内定率8割、進路確定率6割! 就活も「終盤戦」...絞り込みに悩む学生、企業は丁寧な説明を

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   2023年卒大学生・大学院生の就職活動が終盤戦に入った。新型コロナの拡大が落ち着いたこともあり、企業側も過去2年間、思うようにできなかった若い人材確保の挽回に懸命だ。

   そんななか、リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」が2022年6月23日、2023年卒大学生・大学院生を対象にした就活状況を調べた「2022年6月12日時点 内定状況」を発表した。

   6月12日時点で早くも内定率は約8割、進路確定率も約7割近くに達し、2017年卒以降最も速いペースで進んでいる。

  • 内定が取れてよかった!(写真はイメージ)
    内定が取れてよかった!(写真はイメージ)
  • 内定が取れてよかった!(写真はイメージ)

4社以上から内定とった学生が18%も

   それによると、就職内定率(大学院生を除く)は76.5%で、昨年(2022年卒対象)の同じ時点の74.1%に比べ、2.4ポイント上回るペースだ=図表1参照。理系が83.3%と、文系の73.7%を9.6ポイント上回っている。また、女性(77.2%)のほうが男性(75.9%)よりも内定率がやや高いことが目につく。6月1日時点では男性のほうが高かったから、追い込みで逆転した形だ。

(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表1)就職内定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   内定取得先の業種をみると、情報・通信業が25.0%と、ダントツに高いことが特徴だ=図表2参照。ITスキルを持つ人材は、世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外からも誘いの手が伸びる。また、IT業界は就活ルールを定める日本経済団体連合会に属していないベンチャー系企業が多いといわれ、一般に「内定出し」が早い傾向があるようだ。

(図表2)6月12日時点での就職内定獲得企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表2)6月12日時点での就職内定獲得企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)

   次いで、製造業(機械器具以外、15.9%)、小売業(13.8%)、機械器具製造業(13.5%)、サービス業(12.6%)、金融・保険業(11.9%)と続く。製造業と小売業関連はコロナ禍が一段落したことで、業績好調の企業が多いことを反映しているようだ。

   内定を取得した企業数をみると、平均2.43社で、1社が38.6%と一番多いが、4社以上が計18.4%、6社以上も6.0%おり、優秀な学生は早くから多くの企業から内定をもらっていることがわかる=図表3参照

(図表3)内定取得企業数(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表3)内定取得企業数(リクルート就職みらい研究所の作成)

内定取得後に待っている「絞り込み」の悩み

   一方、すでに就職先の企業を決めた進路確定率も6割近い58.4%と、就職活動が終盤戦に入ったことがうかがえる=図表4参照。こちらも、昨年の同時点(56.2%)より2.2ポイント高い。就職確定先企業の業種をみると、やはり情報・通信業が21.8%と、ダントツに高い。次いで、製造業(機械器具以外、12.1%)、金融・保険業(11.1%)、機械器具製造業(10.0%)、サービス業(7.5%)と続く。

(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)
(図表4)進路確定率(リクルート就職みらい研究所の作成)

   さらに、「エントリーシートなどの書類を提出した」「適性検査や筆記試験を受けた」「面接などで対面での選考を受けた」などの就職活動実施率をみると、6月12日時点では47.6%で、6月1日時点の54.4%、5月15日時点の65.8%に比べると大きく減っている。就職活動のピークが過ぎたことがうかがえる。今後は内定取得者の企業絞り込みと、内定を得られていない人の追い込みが進みそうだ。

   就職みらい研究所の栗田貴祥所長はこうコメントしている。

「進路確定率は58.4%と高い水準ですが、内定取得者のうち2社以上内定を保有している学生の割合は19.3%で、複数の内定を保有した状態で検討を続けている状況がうかがえます。学生からのコメントの中には『内定をもらった中からどう選べばいいか分からない』『内定をもらうことができたが、第一志望ではないため本当にその就職先でいいのか悩んでいる』など、進路確定に悩む様子も見られます。企業には、進路決定に迷い不安な気持ちを抱いている学生に対して、納得感を持って進路を決められるよう、働き方などについての積極的な情報開示や学生が相談しやすい丁寧なコミュニケーションをお願いしたいです」

   調査は、2022年6月12日~17日、2023年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生7632人(大学生6258人・大学院生1374人)にアンケートした。

(福田和郎)

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