ようやく底見えたか?コロナ禍で苦戦の「メークアップ用化粧品」需要回復へ インバウンド再開でも期待

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   だが、そんな化粧品市場に少しずつ上向く動きが出ている。

   経済産業省の生産動態統計によれば、口紅やファンデーションなど「仕上げ用化粧品」の22年3月の販売額は約221億円で、前年同月比20.2%増、前月比では45.8%増と大きく伸びている。感染状況が落ち着き、行動制限もなくなったことから、多くの人が外出するようになったことが背景だ。

   「とくに、レストランや居酒屋などで飲食する機会が増え、人前でマスクを外すことも多くなったことが影響している」(化粧品業界の関係者)とみられている。

   ある業界関係者は「化粧品全体としては、コロナ禍が起きる前の7割程度は戻しているように感じる。あくまで今後の感染状況次第だが、ようやく底が見えたと言ってもいいのではないか」と話す。

   コロナ禍前を振り返ると、化粧品についてはもともと、品質の高い日本製を求めるインバウンド需要が大きく、コロナ禍前は東京都心の百貨店の化粧品売り場は外国人観光客でごった返していた。

   2020年春に入国制限が始まってからはインバウンド需要が消えてしまったが、22年6月からはそれも再開されることが決まった。

   それだけに、「化粧品売り場を再び活気づかせる追い風になってくれれば」(百貨店関係者)との期待の声が上がっている。

(ジャーナリスト 済田経夫)

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