【1万円からはじめる暗号資産】仮想通貨は荒れ相場 ビットコインを損切りした明大、慎重な北大と東大【暗号資産バトル 第3節】

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大暴落で窮地に......(明治大学 城正人さん)

   今週(6月13日週)は悲劇の週となりました。ビットコイン価格は2021年の安値である3万ドルを割れ、2万ドルへの大暴落を記録。「バブル高値は割れない」というこれまでのアノマリー(理論的根拠があるわけではないが、よく当たる相場での経験則のこと)は見事破られてしまいました。

   果たして「底」はいつ、いくらなのでしょうか。

   今回は価格には直接影響しないものの、重要な参考資料となるマイニングコストの観点で、今後の価格推移を分析してみます。

◆ マイニングについて
さて、かく言う私も自宅マイニングを行っています。卒FIT(太陽光発電の固定価格買取期間満了後)の実質8円キロワット時という非常に低コストな電力を利用しマイニングを継続してきました。
「国内ではエネルギー価格が高く採算が取れない」などと言われることもありますが、少なくとも太陽光発電によってもたらされた格安の電力を利用すれば、収益性は諸外国にも劣りません。
しかし、高止まりしたハッシュレートにイーサリアム(ETH)価格の大暴落。極め付けは気温の上昇とファンの全力回転、これらの要因により収益性は急激に悪化。私は断腸の思いで装置を停止しました。
世界には「マイニングを事業として行う企業」が存在します。たとえば、mara,riotがその一つです。マイナーたちの損益分岐点はいったい、いくらぐらいなのでしょうか――。各国のマイナーたちの損益分点について考察してみます。価格に直接的な影響はないとはいえ、底を探るうえで参考になると思います。
ビットコインにはSHA-256というハッシュ関数が利用されています。このsha256を計算しマイニングしていくわけですが、そのためだけに開発された「ASIC」という装置が存在します。今回はコストの計算として2022年6月に発売されたantminer S19 XPという最新機種でコストの予想をしてみます。

◆ ハッシュレートの地域分布
コストを試算するうえで最も大きな変数になるのが電気代。より電気代の安く寒冷な土地であればあるほど収益性が高いわけです。どの地域でマイニングが行われているのかをチェックすることは非常に重要です。以下は2022年1月時点のハッシュレートの地域分布と電気代です。

(出典:University of CAMBRIDGE Judge Business School)

   昨年、中国がマイニングを禁止するとのニュースがありましたが、すでに20%超のハッシュレート(マイニングをする際の1秒あたりの計算力、採掘速度のこと)を担っており、ここまで復活してるとは驚かされました。

   それでは、次の条件でさっそく試算してみましょう。

● 最新機種 antminer S19 XP(140Th/s)を利用
● ディフィカルティは固定
● 上記の事業用電気料金を利用

   想定していたより損益分岐点が低く驚きました。もちろん最新機種であり、減価償却費に地代、メンテナンス費用など一切除いた結果のため、既に損益分岐点を割ったマイナーも多い状況だと思います。

   しかし、最悪の場合カザフスタンでのマイニング損益分岐点程度までの下落を覚悟しておいたほうが良いと考えます。

【今週の取引】
3万ドル割れた時点で逆指値を設定しており、起床したら実行されていました。今後は2万ドルの壁の様子を見ながら再度購入を検討します。

 取引日時     取引通貨         取引額         取引結果
2020/6/13  ビットコイン売り  0.0004BTC(@369万5000円)  ▲190円

   先週から持ち越したビットコインのポジションを損切りしました。このポジションは先週187円の含み損が発生しており、今週は3円の含み損がさらに発生。そのため、取引結果は190円の損失となりました。

   それでは、また来週!

前週からの損益       マイナス3円
6月17日現在          9816円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
太陽光を利用したマイニングは評判が良いですよね。筆者はマイニングについては詳しくないので、ハッシュレートや地域分布・損益分岐点などのお話は勉強になりました。
 ここしばらくの暗号資産の下落相場を見ると、底値がどこなのかが気になるところですね。先日ビットコインはいよいよ2万ドルのラインをブレイクしてしまい、1万7500ドルあたりで一度反発しています。2017年のバブルの時の高値が1万9000ドルほどでしたので、この辺りが意識されている価格帯であるのかもしれません。
 とはいえ、2017年から1年間かけて価格が80%ほど下落した過去もありますので、価格がどう変動するのか、まだまだ注視する必要がありそうです。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
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