東証プライム上場企業のボーナス平均は77万円
なお、経団連とは別に、企業の労務や人事を調査する一般財団法人・労務行政研究所も5月11日に「東証プライム上場企業の2022年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」を発表している。
こちらは、東証プライム上場企業1839社中127社の4月14日時点での妥結状況をまとめたもの。それによると、平均は76万5888円で、対前年同期比6.5%増(4万6877円増)という結果だった=図表2参照。
産業別に見ると、製造業が前年比8.6%増、非製造業がマイナス0.1%減と、やはり業種ごとに円安や長引いたコロナ禍の影響の違いがうかがえる結果となった。
さて、経団連の夏のボーナス妥結状況について、ヤフーニュースのヤフコメ欄ではさまざまな意見が相次いだ。
日本総合研究所上席主任研究員の石川智久氏は「ボーナスが増える事はとても良いことだと思います。(中略)日本は給料が安い国になっています。足元で物価高などがありますが、これを乗り切っていくためには賃金を上げていくことがとても重要です。企業が高付加価値の製品を作り、無駄を極力減らすことで利益を出し、これが賃金として人々に回っていくといった社会を作らなければいけません」と、大手企業のボーナスがアップしたことを評価した。
元労働基準監督官でアヴァンテ社労士事務所代表の小菅将樹氏も、「業績が回復している大企業では、賞与で社員のがんばりに応え増額したというところで理解できます」としたうえで、「賞与に還元できるところでは、社員のモチベーション向上が期待できますが、大企業でも業績が回復していないところや、中小企業で業績は回復してきていても、人手が足りずに賞与での還元まで行き届いていないところも相当数ある」と、なんらかの形で勤労に報いる方策を取る企業が増えることを望んだ。
一方、ボーナスで高望みが期待できない人からは羨望の声が多かった。
「うらやましい限りだよ。ウチは夏の賞与はカット、これで2期連続だ...。そのくせ上層の役員報酬は満額出るというから笑える。年俸制と月給制の違いだから仕方ないのだろうが、しょせん社員は都合のいいように調整されるだけ。 最近パートだ、バイトだの待遇格差の記事が上がっていたけど、正社員もたいして変わらないと思うよ」