日本が強い「パワー半導体」とは?
「週刊エコノミスト」(2022年6月28日号)の特集は、「まだまだ伸びる半導体」。半導体といっても、多くの種類がある。日本メーカーは、メモリーやロジック(演算)では競争力を失ったが、電力を効率よく利用するための「パワー半導体」では優位を維持しており、増産投資が行われているという。
パワー半導体は、電気自動車(EV)や脱炭素化に向けて欠かせない。同誌では、ロームや富士電機の増産に向けた設備投資を取り上げている。シリコン素材が主流だが、次世代の素材として注目されているのが、SiC(炭化ケイ素)で、シリコンに比べて高い電圧がかかっても壊れにくく、価格も高い。
従来の200ミリウエハーから300ミリウエハーへの大口径化が進んでいるという。口径が大きくなればその分、生産できるパワー半導体の数も多くなり、量産しやすい。
パワー半導体の競争力をつけるため、豊崎禎久氏(アーキテクトグランドデザイン ファウンダー&チーフアーキテクト)は、東芝と三菱電機の統合を提案している。パワー半導体は日本企業が世界で戦えている領域だが、企業数も多く、このままではたたき合いになるというのだ。
このほか、半導体不足の裏側、半導体需給の見通しなどをまとめている。「まだまだ伸びる」ことは間違いないようだ。
(渡辺淳悦)