話題の「令和4年版 男女共同参画白書」を読む(1)...「晩婚化」以上に「未婚化」への危惧 安心して結婚できる雇用環境、支援策を(鷲尾香一)

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40代未婚者の「結婚の意志なし」、女性が男性を上回る

   そこで調査は、未婚者に対して、結婚の意思を確かめている。その結果は、男性は「結婚の意志あり」が20代54.4%、30代46.4%、40代36.0%と、徐々に低下。「結婚の意思なし」が20代19.3%、30代26.5%、40代29.8%と、徐々に上昇する。

   一方で女性でも、「結婚の意志あり」が20代64.6%、30代46.4%、40代31.7%と低下し、「結婚の意思なし」が20代14.0%、30代25.4%、40代31.4%と上昇した。

   ここで注目したいのは、40代では「結婚の意志なし」が、女性が男性を上回ることだ。そして、「結婚の意思あり」では、女性の方が男性に比べて低い=表3

   筆者がなぜこの問題をピックアップしたのかと言えば、少子化の最大の要因は「婚姻数の減少」にあると考えているからだ。

   日本人は基本的に結婚→妊娠→出産というパターンを辿る。したがって、婚姻数が減少すれば、必然的に出生数も減少することになる。

   これまで政府は少子化対策として、さまざまな支援策を打ち出したが、そのほとんどは妊娠・出産・子育てのためのものだ。

   少子化が長期間継続していることで、人口減少が進んでおり、それに合わせて出産適齢期の女性の数も減少している。結婚→妊娠→出産というパターンを辿るのであれば、まずは婚姻数を増やすことが、少子化対策の第一歩となるだろう。

   そのために政府は、安心して結婚できる雇用環境と、安心して子どもを産み育てられる経済面での安定が得られる対策を打ち出すことで、婚姻数の増加を図っていかなければならい。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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