社内に眠れる「宝の山」顧客情報、ベストな使い方は? メールニュース送付で「問い合わせ」増えた具体事例とは〈その4〉(大関暁夫)

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   連載を続けてきた「社内に眠れる『宝の山』顧客情報」シリーズ〈その1〉、〈その2〉、〈その3〉を通じて、前回までは、営業ターゲット先を取引実績に応じてグループ分けして管理するABC管理の分類の話をしてきました。

   自社の利益(業種によっては売上高)の80%を占めるまでの取引先群を「A先」、同じく80~95%を占める先を「B先」、それ以外で先方担当者の名前とメールアドレスが判明している先を「C先」として管理する方法です。

   A先、B先は、いわゆるリアルで動く営業担当チームであるフィールドセールス・グループが担当します。C先はオフィスあるいはテレワークで、主にメールや電話で営業活動をするインサイドセールス・グループが担当します。

   今回はインサイドセールス・グループの具体的な活動を解説します。

  • メールや電話で営業活動をするインサイドセールスの活動の進め方とは
    メールや電話で営業活動をするインサイドセールスの活動の進め方とは
  • メールや電話で営業活動をするインサイドセールスの活動の進め方とは

効果的なメール営業のやり方とは?

   インサイドセールス・グループは、基本的に、メールでの営業活動がメインとなります。主な担当先は、営業ターゲット先の担当者名とメールアドレスは分かっているものの、取引がない、あるいは過去に取引があったが今はない、あるいは今も取引があるがA、B管理先に分類されるほどの実績がない先です。ですから、相手は自社のことをあまり詳しくは知らないとの前提に立って、接点を拡大する役割を担います。

   具体的には、月1回程度NEWS形態の情報メールを送付するのが基本活動となります。ただ、漫然と毎回メールを送付して、返信を待つだけでは接点の拡大はあまり期待できないので、もろもろ最新のシステム的なテクニックを使って、メールの開封有無の確認やメール内に記載した自社のホームページへのアクセスの有無や回数および滞在時間などをチェックして、関心度の高さの分類をします。

   もちろん、社内にこれらの作業に精通したスタッフがいるならば自社で完結できますが、いない場合はエキスパートを直接雇うよりも外部の専門業者にお手伝いをいただくのがコスト的にもベターでしょう(※注)。

   メールニュースについては前回もふれましたが、基本はあまりセールス色のない内容でありながら、多少でもお役に立つような自社業界情報や豆知識的な話題がよいでしょう。どこの企業でもできるのは、自社の製品やサービスを使った好活用例とか、お客様の「お褒めの声」の紹介などです。

   いずれにせよ、ストレートな商品紹介やセールスは極力控えめにすることがポイントです。さりげなく文末に、ホームページ(HP)や製品ページへのリンクを記載するのがベターでしょう。ただし、製品の好活用例などを紹介した場合には、紹介記事の中で製品ページへのリンクを記載することでかまいません。

   メールニュース送付最大の目的は、自社や自社製品に関心をもってもらい、まずは自社HPへ誘導することです。メール開封だけでは関心の有無までは測れません。しかし、クリックをして自社ページまで来てくれたならば、掲載記事に関して、あるいは自社に関して、あるいは自社製品に関して、少なからず関心をもっているとの判断がつくからです。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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