広がる金利差 インフレ抑制に動く欧米、金融緩和維持の日銀(6月20日~24日)【株と為替 今週のねらい目】

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   日本銀行は2022年6月17日の金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和政策を維持すると決めた。一方、その前日には日銀と同様にマイナス金利政策を実施していたスイス国立銀行(中央銀行)が15年ぶりの利上げを決定するなど、世界的なインフレ抑制のため、欧米の中央銀行が相次いで金融引き締めに動いているなか、日銀の金融緩和政策が突出している。

   円安傾向は続き、景気後退への懸念は高まっている。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 現行の金融緩和政策を継続(写真は、日銀本店)
    現行の金融緩和政策を継続(写真は、日銀本店)
  • 現行の金融緩和政策を継続(写真は、日銀本店)

東京株式市場 世界的な金融引き締めによる景気後退に懸念

日経平均株価予想レンジ:2万5600円~2万6500円

2022年6月17日(金) 終値 2万5963円

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、戻りの鈍い展開か。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、5週間ぶりに反落した。米国の利上げ幅が0.75%に拡大したことに加え、スイスが予想外の利上げを実施したことで、世界的な金融引き締めによる景気減速懸念が台頭、米国株が連日下落したことを受け、日経平均株価も前週末比1861円安と今年最大の下げとなった。

   今週の日経平均株価は、戻りの鈍い展開となりそうだ。米国の利上げ、スイスの予想外の利上げという大きなイベントを通過したことで、相場を大きく下げる材料はないものの、世界的な金融引き締めによる景気後退への警戒感がくすぶり続けており、日経平均株価の上値は重い展開となりそうだ。

   日経平均株価はチャート上で2万6000円付近から2万6500円付近に空いたマドを埋めることができるかが、大きなポイントになりそうだ。22日、23日のFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言には注意したい。

東京外国為替市場 日米の金利差拡大、まだ続く......

ドル・円予想レンジ:1ドル=134円80銭~137円00銭

2022年6月17日(金)終値 134円96銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの堅調地合い継続か。

   前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の利上げ幅の拡大観測と、実際の利上げ幅が0.75%に拡大したことを受け、日米の金利差の拡大を背景にドルは一時135円半ばまで上昇した。

   今週のドル円相場は、ドルの堅調地合いが継続しそうだ。米国の0.75%の利上げにより、日米の金利差拡大がドル買い意欲を高めている。

   スイスが予想外の利上げに踏み切ったことで、世界的な金融引き締めによる景気後退への警戒感が高まり、米国の大幅な株安を背景に、安全資産として円を買う動きも見られたが、日米の金利差の拡大という絶対的な状況を覆すことはない。

   22日、23日のFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言の内容次第では、ドルが一段高を目指す動きとなる可能性があり注意したい。

   経済指標は、国内では22日に日本銀行の金融政策決定会合議事要旨(4月27~28日開催分)、24日に5月の消費者物価と企業向けサービス価格指数などの発表が予定されている。

   海外では、22日にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の上院銀行委員会での議会証言、23日に米国1~3月期経常収支、EU首脳会議(~24日まで)、24日に米国の5月の新築住宅販売などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)

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