マーケティングができていない日本企業
第2章以降、マーケティングについて解説している。まず、「日本のほとんどの企業はマーケティングができていない」と書いている。日本の多くの製造業が不振に陥っている原因は、技術志向に偏りすぎ、マーケティングを軽視してきたことによる、と指摘している。
また、日本企業の多くのマーケティング部は、マーケティングを知らないし、マーケティングをしていない、と手厳しい。米国で発達したマーケティングが日本で育たなかったのは、日本の技術志向のほか、規制による競争阻害、終身雇用制度などが原因だと考えている。
では、マーケティングの本質とは何か? 森岡さんは「売れるようにする=売れる仕組みを作ること」と定義する。売れる仕組みは、消費者とブランドの接点をコントロールして作る。
主なものは、「消費者の頭の中を制する」、「店頭を制する」、「商品の使用体験を制する」の3つだという。
「消費者の頭の中を制する」には、自ブランドの認知率を高め、選ばれるようなブランディングが必要だ。「店頭を制する」ためには、消費者が購入する可能性を最大化させるように「配荷率」「山積率」「価格」などの展開に注意する。また、本書にある戦略やマーケティングのフレームワークもヒントになりそうだ。