なぜ今、木造マンションなのか?
木造マンションの普及・推進は、現代社会の重要な関心事の一つである、カーボン・ニュートラルを実現するための取り組みに直結しています。
2050年までに地球温暖化の元凶とされるCO2の排出量と吸収量を等しくする、カーボン・ニュートラル。この取り組みを実現するためには、鉄およびコンクリートに代えて、CO2の放出量が圧倒的に少なく、かつ、吸収量も高くて固定化が可能な木材を最大限に有効活用することが喫緊の課題とされています。
素材製造時の1立方メートルあたりのCO2排出量は、鋼材が火力発電によって銑鉄するため5320キログラム発生するのに対して、木材はわずか124キログラムと鋼材の約43分の1に留まります。また、CO2を吸収し中に留めておく固定化においても、木材は優れた能力を持っています。ですから、木材の地球温暖化対策における重要性は増すばかりと言えそうです。
では、木造マンションには、ほかにどのような「メリット」や「デメリット」があるのでしょうか――。<いま注目の「木造マンション」とは? カーボン・ニュートラル実現に向け、関心高まる...専門家がメリット&デメリット解説!【2】(中山登志朗)>で引き続き解説していきます。
(中山登志朗)