マーケットが賃金を決める「ジョブ型人事」導入進むか?
ジョブ型人事とは、担当職務の労働市場における価値に基づいて処遇を決定する人事のことだ。「マーケット型人事」を意味する。著者は「日本の賃金停滞問題の数多い原因の一つに、日本では賃金決定において、労働市場の需給関係という市場メカニズムが機能していないこと」を挙げている。
だから、ジョブ型人事(マーケット型人事)への移行が日本の賃金停滞問題を解決する、と主張している。
人事の基本的な目的に、「採用」「定着」「モチベーション」の3つがある。しかし、ここで著者は「日本企業にとって特に賃金レベルを上げる必要がないのが実態ではないだろうか」と驚くべきことを書いている。
大企業では定着率が高く、組織内では高い競争状態が維持される中で、社員はモチベーション高く働くからだ。大手企業の人事担当者の「賃金を上げなくても定着に大きな問題はなく、一生懸命働いてくれるので特に賃金を上げる必要がない」という話を紹介している。