独立開業に不可欠な「3つの視点」を知っていますか?【尾藤克之のオススメ】

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   独立開業支援を行うアントレ(東京都港区)によると、コロナ下での「独立・起業」への意欲の高まりを受け、提供する独立開業支援サイト「アントレ」の利用者数が、2021年3月に30万人を突破したことを明らかにしました。とくに、50代のミドルシニアを中心に登録者数が増え、会員数は対前年比1.6倍に増加しているそうです。

   Withコロナのいま、多くの会社が苦境に立たされています。しかし、このような環境だからこそ会社に見切りをつけて、独立を目指す人が増えていることも事実です。

「独立してコンサルタント、専門家で活躍するために絶対にやるべきこと」(岡本文宏著)WAVE出版

ポイント(1):「再現性」...誰にでも実行可能か?

   あなたが、コンテンツ起業家としてビジネスを展開するには、身に付けたスキルや蓄積してきた情報、生み出したノウハウをお金に換えることが必要です。そのためには、あなた独自のコンテンツを商品として「形」にしなければなりません。岡本さんは「再現性」「明瞭性」「独自性」の3つの軸を持たせることが不可欠だと言います。

「まず、再現性についてです。商工会議所、商工会、企業などのセミナーで登壇するとき、あるいは雑誌で執筆する原稿では、過去に自分が実践して得た成果を事例として伝えることが多くなります。その際、『それは講師(筆者)だからできたのでは?』と思われてしまうと、途端に受け止める側の興味が薄れてしまいます。」(岡本さん)
「セミナーであれば、居眠りやスマホを触り始めたり、会場から出てしまう人もいます。これでは、次から講演や執筆の依頼はきません。ノウハウを伝える際に必要なのは『再現性』の有無。誰でもできると思えるようにすることが大切です。コンテンツとして紹介するノウハウを、あなた以外の人が活用して成果を上げたことを伝えなければなりません」(同)

ポイント(2):「明瞭性」...シンプルかどうか?

   ネルソン・コーワンは、2001年に発表した「マジカルナンバー4」(Nelson Cowan (2001), The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity)という論文で、「人間が短期記憶で保持できる情報の数は4プラスマイナス1 (3~5のチャンク)である」という説を紹介しています。

   さかのぼること、約半世紀前、ジョージ・ミラーは1956年に発表した論文(George Armitage Miller(1956), The Magical number seven, plus or minus two)のなかで、「人間が短期記憶に保持できる情報の数は7プラスマイナス2(5~9のチャンク)である)と発表していましたが、より正確な事実として、「マジカルナンバー4」が規定されたのです。

   1つのセミナーや原稿で伝えるコンテンツは3~5個以内に絞るといいということでしょう。コンテンツを盛り込みすぎると、理解力が下がるのは「『マジカルナンバー4』の法則」からも明らかなのです。明瞭性はシンプルに絞ることだと理解できます。

ポイント(3):「独自性」...オリジナリティーにあふれているか?

   しかし、いくら再現性が高く、明瞭だとしても、コンテンツ自体がチープであれば、評価はされません。

   そのときに注意しなければいけないのが「オリジナリティー」です。まったく同じ内容のコンテンツがいくつも紹介されていたら、価値を感じてもらえません。オリジナリティーにあふれるコンテンツの作成は簡単ではありませんが、抑えておきたい視点です。

   今後、あなたが、独立してコンサルタント、専門家として活躍したいなら、自分のコンテンツを確立させて、顧客を獲得するためのプランニングが必要になります。今回紹介する本は、そのような独立開業を目指したい人に向けた人にぴったりな一冊です。

(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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