なぜ、英語で「週休3日」は「週4日労働」なのか?
コロナ禍によるリモートワークの普及や人々の価値観の変化が「4-day work week」(週4日労働)の実験を加速させていることは間違いありません。英国よりも一足早く実施したアイスランドでは、「働く人々に多くの心理的メリットがありながら、生産性の低下にはつながらなかった」と報告されています。
「4-day work week」(週4日労働)で、「働く人のストレスが減って生産性が低下しない」となれば、喜んで満額賃金を支払う企業も増えることでしょう。私たちの生活が劇的に変わる日は、意外と近いかもしれません。
それにしても気になるのが、なぜ、英語では「週休3日」ではなく「週4日労働」と表現するのか、ということです。
20世紀初頭の英国貴族社会の内幕を描いた大人気ドラマ「ダウントン・アビー」で、貴族社会を代表する先代伯爵夫人(マギー・スミス)が、中流階級の弁護士(ダン・スティーブンス)に「What is a weekend?」(週末って何のこと?)と尋ねたセリフが話題になったことがありました。
働いたことがない貴族にとって、仕事を休む「週末」という概念が理解できないことを象徴したセリフでしたが、階級社会の英国では「休む」ということが「共通言語」ではなかったのかもしれません。
もしくは、「4日働かせる」といった、経営者や上流階級目線が優先されているのでしょうか? 「日英表現の違い」は、調べてみても明確な理由はわかりませんでしたが、社会構造の違いや歴史が影響しているのかもしれません。
それでは、「今週のニュースな英語」は、働き方に関する表現をいくつか紹介しましょう。いずれも「今」を表す時事英語ですので、これを機に覚えておきましょう。
flexible working
(フレキシブルな働き方)
quality of life
(生活の質の向上)
work from home
(在宅勤務)
five-day work week
(週5日労働、週休2日)
今回の実験に参加したある企業のCEOは、「週休2日は20世紀のもの。21世紀にはそぐわない」とまで言い切っています。果たして、結果はどうなるのか。「幸福な3300人の実験」に大注目です。
(井津川倫子)