【1万円からはじめる暗号資産】ビットコイン、イーサリアムは大暴落 「相場の罠」に引っかかった明大、慎重な北大と東大【暗号資産バトル 第2節】

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仮想通貨は大幅下落! イーサリアム危険水域(明治大学 城正人さん)

   イーサリアムがなんと10%を超える大暴落を記録しました。急激に進む円安の影響を排除し、ドル建てで見るとさらに大幅な下落となっています。

   さて、今回の下落の要因は止まらぬインフレ、そしてイーサリアムに関わるDeFi市場のクラッシュへの懸念だと考えられます。

   1つ目のインフレ懸念については株式市場も同様ですが、中央銀行の方針転換はさまざまな面で影響を及ぼしています。仮想通貨は中央銀行の積極的な金融緩和による法定通貨の価値希釈からの逃避という目的で投資されてきた経緯もあり、さらに大きな影響を受けています。

   2つ目のDeFi市場のクラッシュへの懸念はかなり根深いものがあります。今回は、今何が懸念されているか、そして今後DeFi市場にどう影響を与えるか、取り上げようと思います。

【DeFi市場での懸念】
イーサリアムはコンセンサスアルゴリズム(ブロックチェーン上の合意形成アルゴリズム)をPoWからPoSへと変更します。つまりコンピュータに大量に計算させ取引の検証を行う方式から32ETHのステーキング(仮想通貨を保持し、ブロックチェーンのネットワークに参加することで、対価として報酬がもらえる仕組み)を行って取引の検証を行う方式へと転換するということです。
しかし、32ETHとなると現在の価格で700万円近くを要し、投資家が参入しづらくなります。それだけの運用資金を拘束されてしまうことを好まない投資家も大勢います。そこでLidoでは、投資家にイーサリアムを預けてもらいステーキングを代行、そして代わりにstETHという債券トークンを発行するサービスを提供しました。償還したい際には1stETH=1ETHとして交換可能なため基本的には1対1でペグされます。

ところが、すぐに償還することができないという特徴から、しばしばその価格はイーサリアムに対して下落。現在、市場の混乱も一因となり5%の乖離が発生しています。もちろん1対1にペグが戻ると仮定すれば差分を稼ぐチャンスでもあります。
さて、これの何が市場に影響するのかと不思議に思うかもしれません。イーサリアム上ではDeFiという新たな金融サービスが発達しています。担保にはUSDC(USDコイン=米ドルに裏付けられたステーブルコイン)などのステーブルコインにも利用されていますが、イーサリアムも多く利用されています。
問題はこの担保に通常のイーサリアムでなく、債券トークンstETHを利用している人がいるためです。
イーサリアムをレンディングサービスで単純に貸し出した場合とLidoで貸し出した場合では金利が異なっています。そこで、その金利差に目をつけた投資家は、通常のレンディングサービスでイーサリアムを借入れ、LidoにステーキングしstETHを獲得。さらにそのstETHを担保にイーサリアムを借入れLidoにステーキングといった具合にレバレッジをかけて運用していることがあります。
万が一stETHとイーサリアム価格の乖離が広がれば担保評価を毀損してしまうため、強制決済によって市場が不安定になるとの味方が広がりました。急速に発達したDeFi市場だけに、まだ不安定な要素もたくさんですが、その分利益を出す余地もたくさんあります。

今回は、こうした理由でイーサリアムはまだまだ危険水域と考え、投資は控えましたが、少量購入しているビットコインに関しては枚数増やすことも検討中です。

【今週の取引】
取引日時   取引通貨          取引額         売買状況
6月6日 ビットコイン(BTC)  405万5500円(0.0004枚)   買い
保有する暗号資産       ビットコイン

【保有資産】
9819円(現金8383円、ビットコイン0.0004BTC 1436円)

前週からの損益       マイナス187円
6月10日現在           9819円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
6月13日週に入ってから、イーサリアムも含めた仮想通貨市場全体が下落しました。その要因としては、ご指摘のとおりインフレへの懸念や、先月のテラ暴落、そしてセルシウス出金停止などが考えられるでしょう。
イーサリアムのDeFi市場についても未だに不透明感があると思われます。先月のテラの一件から、stETHとイーサリアムのディペッグが見られるようになっていますので、たしかにイーサリアムのトレードは慎重になった方が良いでしょう。しかしビーコンチェーンの結合・PoSへの移行がスムーズに進めば8月と言われているため、それ移行になればイーサリアムへの期待度も高まる可能性があります。
また株式市場の動きも参考にしつつ、仮想通貨がトレンド転換するタイミングを見計らうと良いでしょう。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
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