ビットコインやイーサリアムといった誰もが知っている暗号資産が大幅な下落を記録するなど、激しい動きがあった暗号資産バトル第2節(2022年6月6日週)。北海道大学の花野直樹さんは「方向感がない相場」なことを理由に、取引には慎重な構え。前節にそろりとスタートした明治大学の城正人さんだったが、下落相場に引っかかりマイナスに陥った。東京大学の迫嵩明さんは荒れる相場を、「ゼロポジションで乗り切った」。
ビットコイン3万ドルは「底」が近い?(北海道大学 花野直樹さん)
今週(2022年6月6日週)も先週と同様、暗号資産は週の初めに大きく上げ下げし、その後はほぼ横バイでした。週初めは6~7%動いており、値動きも数時間で急騰、急落と振り回されるようなもので、まだまだ方向感が見えない相場がつづくなぁといった感じです。
僕のエントリールールでも2、3回売買のタイミングがあったのですが、こういった方向感のない相場でエントリーしてうまくいったことがないので、今週も静観をしていました。
僕が見ているCryptoQuantというオンチェーンのデータを扱うサイトでShort Liquidation USDというデータがあります。この数字でショート(売り)カバーの量を見ることができ、イーサリアムで約800億のショートカバーがあることがわかります。
これはかなり大きな金額で3年ぶりの数字だそうです。またGlassnodeというサイトのPuropose Bitcoin ETF Holdingというデータでは、ビットコインのETF(上場投資信託)が多く買われているというデータもあります=下図のヒストグラム参照。
これはやはりビットコイン3万ドルという水準は割安であると考えている人が多く、底が近いことを示しているのかもしれません。しかしチャートを見てみると日足ではまだまだ下落トレンドの途中であり、楽観的な見方はできません。
また6月14~15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)などのイベントで株価の方向性が決まれば仮想通貨も動くかもしれません。株価はまだまだ下げると思っているので、それにつられて仮想通貨もどんどん下がっていくのか、それとも株価に対して底堅い推移をするのか慎重に見極めたいと思います。
ちなみに、この原稿を書いているときにCPI(消費者物価指数)が発表され株価に引っ張られて仮想通貨も下げました。レンジの下限(ビットコイン380万円、イーサリアム約28万円)を割りにいくのかを見て、タイミングがあったらエントリーしていきたいです。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
6月10日現在 1万円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
市場全体が不安定な時はトレードを避けるか、リスクを抑えたトレードをするのがベターですので、ゼロポジションで通過するのも一つの戦略と思います。
実際にこの一週間は相場が大きく動いており、ビットコインも6月6日から一週間かけて、約410万円から300万近くにまで暴落しました。暴落の要因としては、アメリカの利上げや5月頃にあったステーブルコイン「テラ」の崩壊、そして大手レンディングサービス「Celsius」の出金停止など、ネガティブなニュースが続いていたことと想定されます。
FOMC(米連邦公開市場委員会)後に市場が一たん落ち着き、仮想通貨の底値を反発したと思われるタイミングで、トレード再開を検討してみると良いでしょう。
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!