「イクメンプロジェクト」をご存じだろうか。厚生労働省雇用均等・児童家庭局がかねてから取り組んでいるプロジェクトのことである。さらに今年(2022年)4月からは、育児・介護休業法改正によって、男性にも育休が取りやすくなるよう企業の環境整備が義務付けられた。
こういった働きかけもあって、育休パパが増え始めたわけだが、ママの本当の気持ち、願いをわかってあげているだろうか――。そんななか、家族・子ども向け出張撮影プラットフォーム「fotowa」(フォトワ)を運営するピクスタ(東京都渋谷区)のfotowa家族フォト総研が2022年6月13日、「ママに聞く男性育休に関する調査」を発表した。
育児でイライラしているママが「絶対に言ってほしくないひと言」「ぜひやってほしいアノこと」がわかるから、イクメンをめざすあなた、参考にしてはいかが。
夫にしてほしいこと1位「赤ちゃんの世話」
育児・介護休業法改正には続きがあって、今年10月からは第2弾として「産後パパ育休」も始まる。通常の育休とは別に、子どもが生まれた直後の8週間以内なら4週間まで取得できるもの。しかも、2回に分割して取ることも可能で、「男性の産休」と呼ばれている。
さて、ピクスタ/fotowa家族フォト総研の調査によると、育児休暇をとった父親にしてほしいことトップ3は、「寝かしつけなどママ(自分)でなくてもできる赤ちゃんの世話」(33.3%)、「自分で考えて、能動的に動いてくれるならなんでも」(27.4%)、「炊事洗濯などの家事全般(赤ちゃんの世話以外)」(20.7%)という結果に。何はともあれ、「赤ちゃんの面倒」を第一に行動してほしいということだった=図表1参照。
そのほか、「出産内祝い、お宮参り(神社、写真撮影、食事会)などの手配」(8.8%)、「上の子たちと遊んだりしてほしい。赤ちゃんと2人穏やかな時間を作って欲しい」(選択肢外)という、大切なことでもなかなか手が回らないことを代わりにやってほしいという声も。育休パパの仕事はたくさんあるのだ。
妻の逆鱗に触れる言葉「義母はこうだった」
一方、「夫に言われたくないこと」を聞くと、ダントツのツートップは、「『義母はこうだった』『会社の〇〇さんはこうしていた』という他人と比較した言葉」(33.7%)と「『1日家にいるのに?』といった労りのない言葉」(33.7%)だった=図表2参照。
ママはママなりに悩みながら、最善の方法を探って育児をしているものだ。それなのに他人と、とりわけ義母と比較することは逆鱗に触れるに等しいと心得るべきだろう。僅差2位の「1日家にいるのに?」も絶対口にしてはならない禁句だ。
「こうやったらいいんじゃない?」(29.3%)というひとことも、経験もないのに分かったようなアドバイスとしてカチンとくるようだ。また、「夕飯、適当でいいよ!」という言葉も、一見親切な気遣いのようだが、自己満足に過ぎないという。こうなると、パパもちょっと大変だ。
ピクスタ/fotowa家族フォト総研では、
「『ママ、頑張って!』というような当事者意識の感じられない言葉も、育児に奮闘している母親を傷つけるひと言です」「『夫に知っておいて欲しいことはありますか?』という問いに対し、『産後のママは情緒不安定になりやすいということ』と回答した母親は59.9%で第1位。また、ほぼ半数の母親が『自分も父親になったのだということ』を知っておいて欲しいと回答しています。父親が当事者意識を持って積極的に育児に関わることが、産後、情緒不安定になっている母親の大きなサポートになります」
と、アドバイスしている。
調査は、0~7歳の子どもがいる母親430人を対象に、2022年4月14日~4月16日にインターネットでアンケートした。
(福田和郎)