長期投資家に「仕込み場」到来...東洋経済「株の道場」、ダイヤモンド「世界史に学ぶ」、エコノミスト「ドル没落」を特集

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対ロシア制裁でドル離れ

   「週刊エコノミスト」(2022年6月21日号)の特集は、「歴史と経済で解くドル没落」。巻頭レポートは、基軸通貨ドルという「最強の武器」を抱えてきた超大国アメリカへの反乱ののろしが上ってきた、という衝撃的な内容だ。

   対ロシア制裁でドル離れが起き、「非親米」国が顕在化してきたという。対ロ制裁を実施しているG7など36の国と地域のGDPが57・4兆ドルであるのに対し、対ロ中立・対立回避・友好維持各国と被制裁国は145カ国で71兆ドルと、経済規模は制裁に加わらない非G7側のほうが大きいのだ。

   外交評論家の孫崎亨(元イラン大使)さんは「米欧は制裁で通貨を武器にした。在外資産保有や貿易取引で過剰にドル(やユーロ)に依存するのは危険だと、非G7側は鮮明に感じただろう」と話し、ドル離れが進む契機となる可能性を指摘している。

   また、元財務官の行天豊雄さんも「米一極集中は限界。『ブレトンウッズ3』の不在は大失策だ」と話している。

   「ウクライナ危機の深層」と題した米在住ストラテジストの滝澤伯文さんのレポートは、「ドル覇権の死守」が至上命令で、米英最強硬派は戦線の拡大をいとわない、と書いている。

   さらに、経済評論家の加谷珪一さんは「ブロック経済化で台頭する人民元。世界から消えるドルは数百兆円規模」と指摘。国際社会は、絶対的な基軸通貨なき世界に近づく可能性が高まっているという。

(渡辺淳悦)

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