シャープ株2年2か月ぶり安値、今期減益予想に失望売り 背景に...原材料高、円安、液晶パネル価格の下落

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完全子会社化の堺ディスプレイプロダクト(SDP)、改革は続く

   ここで、現在のシャープの手がける事業を、全体の売上高に占める割合(2022年3月期)とともにみてみよう(概算であり、合計100%にはならない)。

・スマートライフ=エアコンや冷蔵庫などの白物家電(17%)
・8Kエコシステム=完成品のテレビやデジタル複合機、FA機器(22%)
・ICT=携帯電話機、パソコン、ルーターなど(12%)
・ディスプレイデバイス=液晶パネルなど(33%)
・エレクトロニックデバイス=センサーや半導体レーザーなど電子部品(15%)

   このように、バランスがいいようにも見える。

   ただ、売上高では液晶パネルが主力だが、利益でみると、白物家電事業が全体の半分近くを稼いでいる。シャープの白物家電がなお競争力を維持している一方、部品としての液晶パネルが足を引っ張る構図ということだ。

   業績予想発表を受けたリポートでSMBC日興証券は「SDPを完全子会社化する決断をした前経営陣の判断に疑問を感じる」と記した。

   SDP改革という経営課題は続いており、少なくとも株価の大幅上昇には高いハードルがありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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