Season4に入った「シューカツに使える企業分析バトル カブ大学対抗戦」がはじまった。「コロナ相場」での争いとなった昨シーズンは一橋大学が優勝。今シーズンは、「勝者」一橋大学と、初参戦の愛知工業大学チーム、北海道大学、明治大学、慶応義塾大学、同志社大学が参戦する。6か月のカブ大学対抗戦の幕が開いた。
はじめまして! チーム・ヒゲペンギンズの伊豆匠吾と申します。北海道大学金融研究会(HFUC)に所属し、投資や金融を一から学んでいます。当研究会として初めて記事を書かせて頂くので緊張していますが、宜しくお願いします。
では、さっそくですが、企業分析に移ります。最初の狙いはズバリ「成長分野の安定企業」。デモトレードではありますが、私にとって初めての投資であるので、半年間保有できる安定した企業を探し、その中でも成長している分野を選ぼうと思いました。
そこで注目した銘柄が、「島津製作所」(7701)です。
配当金は企業のバロメーター
まず、「安定」の指標からです。私は自己資本比率、日経平均株価との比較、配当金に着目しました。
自己資本比率とは、総資本における自己資本の比率を表しています。自己資本比率が高ければ高いほど借入金が少ないので、優良な企業と言えそうです。貸借対照表(B/S)では、表の右側に書かれている情報で調べることができます。今回は同業者と同じくらいか、それ以上の自己資本比率であることを安定した優良企業の条件としたいと思います。
次に他業種との比較として、直近1年の日経平均株価に着目しました。半年保有を視野に入れたいので、1年の変位をピックアップしたところ、直近1年でマイナス4.46%(2022年6月5日10時22分現在)であったので、最低でも直近1年でマイナス5%以上の株価変動であることを2番目の条件としました。
最後に配当金です。配当金は企業が得た利益や剰余金から配られているお金であるので、企業成長のパラーメータと考えられます。安定している企業は配当が減ることはないと考えられるので、連続増配や非減配期間が長い(10年以上)である株式を選ぶことを3番目の条件としました。
日本の医療精密機器は世界第2位の市場規模
次の指標は「成長」です。医療精密機器業界に注目しました。理由は高齢化社会に伴う日本国内の需要の高まりと市場規模です。特に市場規模は、日本の医療機器市場が米国市場に次いで世界第2位 (「経済産業省、商務・サービスグループ、医療・福祉機器産業室、我が国医療機器産業について」より)であるため、海外を視野に入れた成長がしやすいと考えたためです。
こうしたことから、期待を込めて「島津製作所」を選びました。自己資本比率65.0%(2022年3月期)で、精密機器業界28位(2020~2021年。業界動向・精密機器業界、自己資本比率ランキング)と比較的高く、株価の直近1年の変位はプラス22.48%と非常に高く、そして配当金は10年間非減配です(IR BANK、島津製作所)。また、予算200万円で買うことができる株価であることも決定の一因となりました。
以上の企業分析と投資判断より、「島津製作所」の株式を6月3日の終値4740.0円で、保有資金の約30%に当たる300株を、長期保有を前提に購入します。
島津製作所(7701)
年初来高値(2022年1月4日) 4910.0円
年初来安値(2022年3月14日) 3715.0円
購入時の株価(2022年6月3日) 4740.0円
取得株数 300株
北海道大学金融研究会に所属し、自分が儲けられる手段を必死になって探している。趣味は花札、ルービックキューブ、ペンギン鑑賞などなど。企業分析バトルを、勉強した知識の実践の場としたい。よりよい分析を目指して頑張ります。
企業分析バトル(株式投資)大学対抗戦 競技ルール
・月200万円の投資金額を上限に、銘柄(企業)を選び分析するバーチャル投資とする。
・投資対象は、国内上場企業の現物取引。
・株式の売買価格は任意の時間の価格とする。
・競技期間は6か月。順位は、投資した銘柄(企業)の運用・売買で得た6か月の合計の利益額で決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/