景気後退一直線?米国株パニック暴落! エコノミストが指摘...「0.75%利下げは市場の織り込み次第」

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ミシガン大調査の消費者態度指数、過去70年間で最低

   米国の消費者マインドがすっかり冷え込んでいることに注目したのが、J.P.モルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト前川将悟氏だ。前川氏のリポート「物価懸念で、国株式が弱気相場入りに再接近」では、図表2のように急激なインフレが進行中だとして「3つの悪材料」を挙げている。

(図表2)米国のインフレ率(J.P.モルガン・アセット・マネジメントの作成)
(図表2)米国のインフレ率(J.P.モルガン・アセット・マネジメントの作成)
(1)5月の米消費者物価指数(CPI)が、前年同月比の伸び率が8.6%と市場予想を上回り、40年5か月ぶりの高水準となった。また、市場参加者の注目度が高い食品とエネルギーを除くコアCPIの前月比の伸びも、予想を上回る0.6%だった。
(2)米ミシガン大が発表した6月の消費者調査で、今年2月~5月まで3.0%で不変だった5年先の予想インフレ率が3.3%に上昇した点も、インフレ懸念を強めた。
(3)同じミシガン大調査の消費者態度指数が50.2と、統計開始の1952年以来で最低となり、高インフレが今後の個人消費に悪影響を及ぼすリスクが警戒された。

   ミシガン大調査とは、米国の消費者マインドを探る代表的な経済指標で、同大が毎月発表する。対象人数が300~500人と少ないため月ごとの振れ幅が大きい。そのため、発表のタイミングも早いことから経済動向の先行指標として注目される。指標が予想より強ければ米国経済は好調とされ、逆に、弱ければ不調とされる。その指標が過去70年間で最も悪いとなれば、市場関係者のショックも大きいだろう。

米国の株価下落に引きずられ日本株も大幅下落(両国の国旗のイメージ)
米国の株価下落に引きずられ日本株も大幅下落(両国の国旗のイメージ)

   しかし、前川氏は「早期の景気後退入りを確信させる材料はまだ不足」だとして、こう指摘する。

「『信用市場の急激な悪化』や『失業率の上昇』など早期の景気後退入りを示唆する材料はまだ揃っていません。これらの危険度が高いサインが点灯する前にインフレが落ち着く兆しを見せ、米連邦準備理事会(FRB)が過度な金融引き締めを回避できるかが、年後半にかけての焦点になるでしょう」

   そして、今後の焦点は6月14日、15日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派色の姿勢を強めるかどうかにあるとして、3つの注目点を挙げた。

「タカ派的な姿勢が示されれば、もう一段のリスクオフを招く可能性があるため注意が必要です。(中略)ドットチャート(FOMC参加者の政策金利見通し)やパウエル議長の発言などで、(1)いつまで大幅利上げを続けるつもりか、(2)利上げ幅が0.75%になる可能性があるのか、(3)最終的にどの水準まで政策金利を引き上げようとしているか、などを確認したいところです」
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