1ドル135円突破! 政府・日銀声明効かない投機筋の動向...エコノミストが指摘「1ドル140円~145円台」の可能性

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

家計は値上げを受け入れていなかった!?

日本銀行は異次元の金融緩和をいつまで続けるのか
日本銀行は異次元の金融緩和をいつまで続けるのか

   ところで、6月6日の講演で、日本銀行の黒田東彦総裁が「日本の家計は値上げを受け入れている(値上げ許容度が高まっている)」と発言したことが批判を浴びた(その後、発言を撤回)。

そこから、本当に家計は値上げを受け入れているかという疑問を、当の日銀の研究データから考察した結果、逆に値上げ許容度は低くなっている、との結論を導き出したリポートがある。みずほリサーチ&テクノロジーズの「家計の値上げ許容度は高まっているのか?─『値上げ許容度DI』は低下。家計の節約志向は上昇─」(6月10日付)がそれだ。

   上席エコノミストの酒井才介氏ら3人がまとめた。3人は日本銀行のワーキングペーパー「わが国における家計のインフレ実感と消費者物価上昇率」(高橋悠輔氏・玉生揚一郎氏、2022年3月2日発表)を、取り上げた。

   これを参考に、日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」を用いて、家計の「値上げ許容度DI(指標)」を算出したものが図表4だ。リポートではこう説明する。

(図表4)家計の値上げに対する許容度DI(みずほリサーチ&テクノロジーズの作成)
(図表4)家計の値上げに対する許容度DI(みずほリサーチ&テクノロジーズの作成)
「具体的には、値上げが『どちらかと言えば、好ましいことだ』と回答した割合から『どちらかと言えば、困ったことだ』と回答した割合を差し引いてDIを算出し、サンプル期間の平均からの乖離を図示している。2022年3月調査までのデータを用いているが、足元(商品市況高騰が本格化した2021年度後半)ではDIが低下しており、このDIからはむしろ家計の値上げ許容度が低下していることが示唆される」

   こう結論づけて、黒田総裁発言との「矛盾」を明らかにしたのだった。

(福田和郎)

姉妹サイト