テレビ東京で「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」などの人気番組を手がけたヒットメーカー、佐久間宣行さんが書いた「ずるい仕事術」(ダイヤモンド社)が、今売れている。誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術を公開。「いい仕事」をしたいと考えている、すべてのビジネスパーソンの役に立つビジネス書だ。
「ずるい仕事術」佐久間宣行著(ダイヤモンド社)
佐久間さんは、1975年福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。ほかに、YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」も話題だ。著書に『普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる』(扶桑社)がある。
テレビ東京に入り、自分が芸能界もテレビ界もサラリーマンも苦手なことに気がついたという。深夜ドラマのAD(アシスタントディレクター)になると、ほとんど休みもなく、先輩に飲みに連れ回される日々。酔った先輩に絡まれ、言い返して喧嘩になった。「会社やめようかな......」と考えたとき、自分に対して、怒りが湧いてきたという。
「おれはまだなんのチャレンジもしていない。昔、おもしろくて憧れた世界に指もかけてもいない。このままじゃやめられない」
そう思い、自分の人生戦略を考え始め、「もっとずるく働こう」と決意した。「たかが仕事だ。真正面で消耗するのを止めて作戦を立てよう」と。そこから佐久間さんは変わったという。
本書は、仕事術編、人間関係編、チーム編、マネジメント編、企画術編、メンタル編の6章からなる。62項目の中から、「なるほど!」と感心した仕事術をいくつか紹介しよう。
自分の輝く姿を見せて、楽しく仕事を!
仕事術編の最初に出てくるのが、「『楽しそう』を最強のアピールにする」ことだ。とにかく楽しそうに働く。その姿を、まわりや上司にアピールする。組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなど一つもないという。人生で関われる人の数は限られている。「だったら自分の輝く姿を見せて、楽しく仕事をするほうが、断然トクだ」。
「会議は『事前準備』で勝て」というのも大きなポイントだ。その他大勢から抜け出し、上司に認められるチャンスは会議にあるという。そのためには以下の準備が必要だ。
・想定質問を用意して、よどみなく答えられるようにしておく
・必要になりそうな資料はあらかじめ用意する
・いつ振られても答えられるようアイデアを持っていく
・前回の会議で話題に出たことは、調べて次の会議に持っていく
仕事で結果を出したいと思うなら、まずは会議で結果を出すこと。それがいちばんの近道だと説く。
会議の終盤になると、グーグル・カレンダーのメモ欄に、その日の要点と次の会議に達成すべきこと、次回までに自分がやっておくことを書き留める。「会議直後の5分間のひと手間が、1週間後の自分の評価を変える」というアドバイスは、参考になるだろう。