まずは「イヤじゃない仕事」に就くこと大事 元大学教授が書いた「リアルすぎるFIRE」本

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   定年延長に加え、年金の不安もあり、多くの人が60歳を過ぎても働かざるを得なくなっている。しかし、本来なら、限りある定年後の時間は「自分が本当に生きたいように生きる」ための時間として使いたいもの。

   本書「60歳までに『お金の自由』を手に入れる!」(PHP研究所)は、「43歳貯金ゼロ」から数年で「一生困らない資産」を築き上げた著者が、「60歳までにお金の不安を一掃する」ためのマネー術を説いたものだ。

「60歳までに『お金の自由』を手に入れる!」(榊原正幸著)PHP研究所

   著者の榊原正幸さんは、青山学院大学の会計学教授として教鞭をとりながら、多くの株式投資本を発刊してきた著名投資家。しかし、実は43歳の時点での貯金は「ゼロ」だった。それがたった数年でリタイア可能な資産を築き上げ、60歳前に「自主定年退職」を実現した。どうやったら可能だったのか。

   榊原さんは、本書で「イヤじゃない仕事に就くことの重要性」と「老後のための資産運用の重要性」を説いている。後者の意味は分かりやすいが、前者は少しピンとこない人もいるだろう。「好きな仕事」と「イヤな仕事」の間にあるのが、「イヤじゃない仕事」だと説明している。そして、そうした仕事に就き、還暦前後まで働くことによって、資産運用をする時間を稼ぐのだという。

還暦前後でお金の不安なく仕事を辞めるには?

   逆説的に言えば、「イヤじゃない仕事」に就いて、時間をかけて資産形成すれば、還暦前後でお金の不安なく仕事を辞められる、というのだ。

   榊原さんは自身のキャリアについて詳しく書いている。1961年名古屋市生まれ。名古屋大学経済学部、大学院経済学研究科を経て、同大学経済学部助手になる。その後、東北大学大学院経済学研究科教授となる。

   2004年、青山学院大学の大学院(ビジネススクール)に移籍。国立大学から私立大学へ移ることに、周囲は猛反対したそうだ。しかし、敢然と実行する。当時、6歳の息子さんが1人いたが、貯金はゼロだったという。投資自体は若い頃から手掛けていたが、儲かったり損したりの繰り返しだった。

   東北大学の助教授になった頃、専門の会計学が株式投資に応用できることに気が付き、投資法を確立。その後は平均すると年10%弱の運用を実現し、50歳になるまでには「仕事を辞めても困らないだけの資産」を手にすることができたそうだ。

   だが、大学の仕事は「イヤじゃない仕事」だったので、59歳まで続けた。定年まで9年あったが、「人生の残り時間が少ない」と思い、きっぱりと辞めた。

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