部下の大きなミスで会社に大損害!?...上司としてどう対処する?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 5】(前川孝雄)

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上司は安易にすべてを抱え込まないこと

   上司として謝罪に出向く際に、一つ注意しなければならないことがあります。

   それは、「自分が責任を取る!」という熱い気持ちで突っ走りすぎないことです。

   私が前職で管理職になりたてだったころ、納品した成果物にミスが発覚してクライアントが激怒したことがありました。部下とお詫びに伺うと、相手は「このミスで、うちに不条理な問い合わせがきたら、どうしてくれるんだ!」と、一向に収まる気配がありません。

   そこで私は、つい「すべての問い合わせには私が対応します」と言ってしまったのです。その時は、責任を負おうとする私の言動に部下の信頼度は一気に高まりました。しかし実際問題として、私がすべての問い合わせに対応できるはずもなく、結局、部下や組織の負担を増したのではと反省しました。

   この失敗から学んだのは、「自分は中間管理職であり会社の一員なのだ」という意識をもって、社外の人と対話するバランス感覚。部下を守ろうとの気概は大切ですが、言動が個人プレーにならないよう注意することも必要です。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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