部下の大きなミスで会社に大損害!?...上司としてどう対処する?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 5】(前川孝雄)

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上司自ら部下を伴って謝罪に出向き、再提出の許可を依頼する?

   部下のミスは上司の責任。そう思えば、次のような対処が考えられるかもしれません。

   すぐに部下と一緒にクライアントを訪ね、「誠に申し訳ありませんでした。しっかりチェックをしなかった私のミスです。責任は上司である私にあります」と丁寧にお詫びをする。

   そのうえで、見積もりの出し直しができるよう、真摯に依頼する。

   仕事熱心で率先垂範型の上司ほど、トラブルが起きるとすぐに現場に出ていく傾向があります。いざという時には部下を守り、自ら進んで責任を取ろうとする姿勢には共感できる面もあります。

   しかし、部下を思っているつもりでも、すぐに上記のような対応をすると、部下が自分で対応策を考え行動する力を育てられず、結果的に部下のためにもクライアントのためにもなりません。 また、部下たちの問題すべてに上司が自ら動いていては、体や時間がいくらあっても足りなくなってしまいます。

   企業対企業の取引では、上司は現場での最後の砦。この場合、まずは部下にクライアントを訪問させ、状況把握をさせたほうがよいでしょう。

   部下が途方にくれ思考停止に陥りがちな時ほど、次の展開を考えるためには具体的にどんな情報を把握してくるべきか、しっかりとアドバイスをするのです。

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